おどろおどろしいジャケ・1
ブルーノート・レーベルと言えば、そのジャケット・デザインのアート性が非常に高く評価されている。しかし、ブルーノート・レーベルの4300番台には、かなり「おどろおどろしい」ジャケットが沢山ある。どうして、そういうデザインを採用したのかはよく判らない。合成写真、イラストと表現手法は違えど、その「絵」の雰囲気は「おどろおどろしい」か「気色悪い」である(笑)。
4300番台がリリースされていた当時は、サイケデリック・アートやヒッピー・ムーヴメントが流行った時代。そういうトレンドに反応して、こういう「おどろおどろしい」ジャケット・デザインを採用したのだろうが、ジャズには全く合わない。しかも、その盤の内容にも、全く合致していないのだから始末が悪い。どうやって考えたら、こうなるのか。当時の担当者にその理由をしっかりと聞いてみたいものだ。
Lou Donaldson『Everything I Play Is Funky』(写真)。ブルーノートの4337番。1969年8月22日と1970年1月9日の録音。ちなみにパーソネルは、Lou Donaldson (as, vo), Melvin Sparks (g), Idris Muhammad (ds) は録音両日共通。1970年1月9日は、Blue Mitchell (tp),Lonnie Smith (org), Jimmy Lewis (b) が加わる。1969年8月22日は、Eddie Williams (tp), Charles Earland (org) が加わる。2セッションでメンバーの多少の入り繰りはあるが、音の統一感は揺るがない。
さすがに4300番台。ポップで楽しみやすいジャズを追求している。冒頭の「Everything I Do Gon' Be Funky (From Now On)」はアラン・トゥーサンの曲で、もうこれはソウルそのもの。ソウル・ジャズというよりは、モータウンに通じるソウル・ミュージックそのもの。ソウルは声帯で唄うが、ドナルドソンはアルト・サックスで唄う。演奏全体のファンクネスの濃さは半端ない。
2曲目「Hamp's Hump」以降、ソウル・ジャズな演奏がズッと続くのだが、5曲目の「West Indian Daddy」はいきなり「カリプソ・ジャズ」が展開される。これが楽しい。ファンクネスを控えめに、ポップ度を増して、ルーさんが楽しく旋律を吹き上げる。この曲が始まると、周りの雰囲気がパッと明るくなる様な気がする。良い曲、良い演奏だ。そして、ラストの「Minor Bash」に至っては、ルーさんが大の得意の「ファンキー・ジャズ」。
切れ味良く、適度なテンションを張りながら、アルト・サックスで唄うようにファンキーなフレーズを連発する。これぞルーさん、と思わず声をかけたくなる、ご機嫌な「ファンキー・ジャズ」。おどろおどろしいジャケットだけど、中身は「ルーさん」てんこ盛り。しかし、どうやったら、こんなサイケで、おどろおどろしいジャケットになるのかなあ。ブルーノートの4300番台は不思議なことだらけである。
東日本大震災から8年5ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
« コンテ・カンドリのリーダー作 | トップページ | おどろおどろしいジャケ・2 »
コメント