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2019年7月 7日 (日曜日)

アコースティック・バンドの再始動

最近、チックの活動はちょっと活発。チック・コリアは1941年生まれなので、今年で78歳。健康にだけは留意して欲しいと思うばかり。僕は既に40年以上、チック・コリアのマニアなので、最近のコンスタントにアルバムをリリースする状況はとても嬉しい。しかも、そのタッチは衰え知らずなので、ファンとしては喜ばしい限りである。

Chick Corea Akoustic Band『Live』(写真左)。改めてパーソネルは、Chick Corea (p), John Patitucci (b), Dave Weckl (ds)。伝説のトリオの再始動を捉えたCD2枚組ライヴ盤。2018年1月13日、米・フロリア州セントピーターズバーグのSPCミュージック・ホールでの公演を収録したもの。1989年発表の第1弾『スタンダーズ&モア』はグラミー賞2部門受賞、全米ジャズ・チャートNo.1を記録。この3人でのアルバムは『ラウンド・ミッドナイト (原題:Alive)』(1991年発表)以来、28年振り3枚目。
 
僕はチック・コリアはエレもアコも大好きなので、今回の再始動ライブ盤は手放しで大歓迎。30年前、第1弾の『スタンダーズ&モア』が出た時は、テクニック優先で情緒に欠ける、ダイナミックな演奏が過ぎて情緒に欠ける、またアコースティック・トリオに戻って訳分からん、とか、当時の年配のジャズ評論家の方々の評価はイマイチだったなあ。
 
 
Live-ccab  
 
 
でも、今の耳で聴いても、かなり優秀な、時代の先端を行くピアノ・トリオだったと思います。今回のライブ盤、3人とも約30年振りなので、当然ながら30歳、歳を取った訳だ。当初のアコースティック・バンドの切れ味とダイナミズムはそのままに、成熟さと流麗さが加わって、現代のピアノ・トリオとして十分通用する内容になっている。この現代のピアノ・トリオとして通用する、という部分が凄い。決して「懐メロ」になっていないことが、とりわけ素晴らしい。
 
馴染みの深い曲がメインとなっているので、とても楽しい。もともとリズム感やタイム感が完璧な3人による再会セッションなので、「決め」の部分などがバッチリ決まっている。ライブでこれだけ完成度の高い演奏を繰り広げるのは流石である。というか、現代のジャズ・シーンの中でもそうそうはいない。初めて聴く人は、このトリオの演奏に「スリリングさ」を結構感じてくれるのではないか、と思っている。
 
コリアの曲とスタンダード曲と半々くらいの収録だが、スタンダード曲がなかなかマニアックで良い選曲だ。このスタンダード曲の演奏でよりこのアコースティック・バンドの真髄を感じることが出来る。録音も良く、それぞれの楽器が最高のバランスで録れている。しかし、チックにパティトゥッチのベースとウェックルのドラムはバッチリ合うなあ。30年前のチックの慧眼には感服する。
 
 
 
東日本大震災から8年3ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
 
Never_giveup_4
 
Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

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