ラテン・グルーヴなピアニスト
とにかく現代ジャズは裾野が広い。世界レベルで見て、かなりの数のプロのジャズマンがいる。それぞれの国の中で、それぞれのジャズマンが食っていけてるのだろうか、と心配になるのだが、どうなんだろう。アルバムの数も毎月毎月、相当数リリースされている。需要があるんだろうか、と心配になるのだが、どうなんだろう(笑)。
ジャズ雑誌やダウンロード・サイトで、毎月毎月、新盤を確認しているんだが、今現在、活躍しているジャズマンである。こんな人いたんや、とか、聞いたことある名前やけど、はっきり言ってアルバム、ほとんど聴いたこと無いなあ、なんて思いながら、新盤を確認することになる。今回のこの盤のリーダーもそういう類のピアニストである。
Bill O'Connell『Rhapsody in Blue』(写真左)。2009年2月の録音。リイシュー盤である。ちなみにパーソネルは、Bill O’Connell (p), Luques Curtis, David Finck (b), Steve Berrios (ds), Steve Slagle (sax), Richie Flores (perc), Dave Samuels (vib), Conrad Herwig (tb)。リーダーのピアニストは、ビル・オコンネル。
オコンネルは1953年生まれ。今年で66歳。大ベテラン・ピアニストである。生粋のニューヨーカー。ラテン・グルーヴ溢れるピアノが個性。ラテン・ジャズ界の大御所のバンドへの参加や、ジャズ界の巨匠との共演歴があり、そういった経験が、ラテン・グルーヴを育んだと思われる。ボーッと聴いていると、チック・コリアのラテン・フュージョンのピアノかな、と感じたりする。
その最たる例が、3曲目のタイトル曲「Rhapsody in Blue」。ガーシュイン作の有名なクラシック曲。もともとこの曲、ジャジーな音の要素を旋律に含んでいるので、ジャズでは結構カヴァーされている。このオコンネルのバージョンは、こってこて「ラテン・グルーヴ」溢れるアレンジが施されている。ラテン・グルーヴの「Rhapsody in Blue」。実にユニークである。
ラテン・グルーヴの強い演奏がズラリと並ぶが、その内容は至極真っ当なもの。決して「キワモノ」では無い。オコンネルのピアノは端正で明確なタッチ。テクニックは優秀で全くブレが無い。演奏全体も統制が取れていて、切れ味も良く、聴いていて清々しい気分になる。伝統的なジャズとラテン・グルーヴとを融合したジャズはユニークで、聴いていて楽しい。
東日本大震災から8年4ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
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