洗練されたジャズ・ファンク
ジャズを聴き始めた頃は、フュージョン・ジャズの大ブーム真っ只中。若手ジャズ者達は、とにかく猫も杓子もフュージョン・ジャズだった。僕もロックからの鞍替え組、特にプログレッシブ・ロックからの鞍替えだったので、8ビート&電気楽器を大々的に導入したフュージョン・ジャズが入り易かった。
プログレッシブ・ロックからの鞍替えなので、ソロよりはグループの方が親近感があった。新しいジャンルの音を聴く時はこの「親近感」は大切な要素。フュージョン・ジャズの中でもグループのアルバムを聴き始めた。Weather Report, Return to Forever, The Crusaders, そして、Brecker Brothers。いずれのグループも今でもお気に入りである。
さて、最近の新盤。Randy Brecker『Rocks』(写真左)。ランディ・ブレッカーとNDRビッグバンドとの共演作である。主だったメンバーについては、Randy Brecker (tp flh), David Sanborn (as), Ada Rovatti (ts, ss), Wolfgang Haffner (ds) そして、NDR Bigband。2017年1月&2018年5月 ハンブルグNDRスタジオでの録音。
ランディ・ブレッカーといえば、実弟マイケル・ブレッカーと共に、1974年にブレッカー・ブラザーズを結成。これがフュージョン・ブームに乗り、ファンクネス濃厚でハイテクニックなジャズロック・バンドとして、大人気バンドになる。僕はこの「ブレッカー・ブラザース」が大好きで良く聴いた。で、このランディの新盤の冒頭の「First Tune Of The Set」を聴いて「おおっ」と思った。
この音って「ブレッカー・ブラザース」やん。今の時代の洗練された、成熟した「ブレッカー・ブラザース」。そこに、朋友サンボーンのアルト・サックス、クロスオーバーなフィールドから伝統的なスタイルまで適用力抜群のドラマー、ウォルフガング・ハフナー、そして、ランディを公私ともに支えるロヴァッティのテナー・サックス。ファンクネス適度に濃厚な心地良いグルーヴ感。
NDR Bigbandとの共演で音の厚みが格段に増し、うねるブラスとソロが炸裂する「ブレッカー・ブラザース」の音世界の再現。しかし、なにより、力強いジャズ・ファンクなブロウから、詩的で繊細なセンスまで、ランディのトランペットが凄く良い。現代の洗練されたジャズ・ファンクがここにある。良いアルバムです。
日本大震災から8年2ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
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