« ジャズ喫茶で流したい・149 | トップページ | 後のフュージョンの先駆けです。 »

2019年6月10日 (月曜日)

モード・ジャズが好きである。

ジャズの奏法の中で、言葉で説明すると何が何だか判らない奏法なんだが、音を聴くと「たちどころに判る」不思議な奏法。モード・ジャズが好きである。言葉で書くと「コード進行よりもモード(旋法)を用いて演奏されるジャズ。」(Wikipediaより)。モード・ジャズではコード進行は単純化し、音階(モード)の中でアドリブを展開し、フレーズの変化を作り出す。
 
やっぱり文字にするとよく判らないなあ。ということで、モード・ジャズということになると、まず、かける盤が、George Russell『Ezz-Thetics(エズセティックス)』(写真左)。1961年5月の録音。ちなみにパーソネルは、George Russell (p, arr), Don Ellis (tp), Dave Baker (tb), Eric Dolphy (as, b-cl), Steve Swallow (b). Joe Hunt (ds)。フリー志向強めなモード・ジャズ。
 
冒頭のタイトル曲「Ezz-Thetics」がモード・ジャズ。出だしはトロンボーンのデイブ・ベイカー、トランペットのドン・エリスと続いて、エリック・ドルフィーのアルト・サックスが出てくると「これがモード・ジャズなんだ」と確信する。モード・ジャズの場合、アドリブの演奏時間は長くなるが、その柔軟性、その意外性、強烈なドライブ感は抜きん出る。これこそがモード・ジャズの醍醐味。
 
 
Ezzthetics-george-russell  
 
 
2曲目の「Nardis」は、スローテンポなアレンジが施されているが、この曲の持つエキゾチックさが増幅され、モーダルなアドリブがより一層際立つのだ。ドン・エリスのトランペットが良い雰囲気を出している。そうそうラストの「'Round Midnight」でのドルフィーが凄い。「炸裂」の単語がピッタリのモーダルなアドリブ。逆にモードじゃないと、こんなに自由度の高い、意外性の高いアドリブは出来ないだろう。
 
若きマイルス・デイヴィスとのやり取りの中にあった「全てのサウンドのChangeを知りたい」という言葉も切っ掛けになり、ジョージ・ラッセルにより考案されたリディアン・クロマティック・コンセプト(Wikipediaより)。そして、これを切っ掛けとしてモード・ジャズが生まれる。とにかくモード・ジャズは面白い。ただ弾き手をシビアに選ぶ奏法である。しかし、そこがまた面白い。
 
「リディアン・クロマティック・コンセプトを考案した」なんて小難しそうなので、敬遠されるのかなあ。意外と我が国では知られていないのだが、このジョージ・ラッセルの『Ezz-Thetics』は、マイルス・デイヴィスの『Kind of Blue』と双璧をなすモード・ジャズの教科書の様なアルバムです。とにかく、ドルフィーが凄い。完璧にモード奏法をマスターしてます。
 
 
 
東日本大震災から8年2ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
 
Never_giveup_4
 
Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

« ジャズ喫茶で流したい・149 | トップページ | 後のフュージョンの先駆けです。 »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« ジャズ喫茶で流したい・149 | トップページ | 後のフュージョンの先駆けです。 »

リンク

  • まだまだロックキッズ(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のロック」盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代ロックの記事を修正加筆して集約していきます。
  • 松和の「青春のかけら達」(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のJポップ」、いわゆるニューミュージック・フォーク盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代Jポップの記事を修正加筆して集約していきます。           
  • AORの風に吹かれて(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    AORとは、Adult-Oriented Rockの略語。一言でいうと「大人向けのロック」。ロックがポップスやジャズ、ファンクなどさまざまな音楽と融合し、大人の鑑賞にも堪えうるクオリティの高いロックがAOR。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、AORの記事を修正加筆して集約していきます。  
2023年5月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      

カテゴリー