モード・ジャズが好きである。
ジャズの奏法の中で、言葉で説明すると何が何だか判らない奏法なんだが、音を聴くと「たちどころに判る」不思議な奏法。モード・ジャズが好きである。言葉で書くと「コード進行よりもモード(旋法)を用いて演奏されるジャズ。」(Wikipediaより)。モード・ジャズではコード進行は単純化し、音階(モード)の中でアドリブを展開し、フレーズの変化を作り出す。
やっぱり文字にするとよく判らないなあ。ということで、モード・ジャズということになると、まず、かける盤が、George Russell『Ezz-Thetics(エズセティックス)』(写真左)。1961年5月の録音。ちなみにパーソネルは、George Russell (p, arr), Don Ellis (tp), Dave Baker (tb), Eric Dolphy (as, b-cl), Steve Swallow (b). Joe Hunt (ds)。フリー志向強めなモード・ジャズ。
冒頭のタイトル曲「Ezz-Thetics」がモード・ジャズ。出だしはトロンボーンのデイブ・ベイカー、トランペットのドン・エリスと続いて、エリック・ドルフィーのアルト・サックスが出てくると「これがモード・ジャズなんだ」と確信する。モード・ジャズの場合、アドリブの演奏時間は長くなるが、その柔軟性、その意外性、強烈なドライブ感は抜きん出る。これこそがモード・ジャズの醍醐味。
2曲目の「Nardis」は、スローテンポなアレンジが施されているが、この曲の持つエキゾチックさが増幅され、モーダルなアドリブがより一層際立つのだ。ドン・エリスのトランペットが良い雰囲気を出している。そうそうラストの「'Round Midnight」でのドルフィーが凄い。「炸裂」の単語がピッタリのモーダルなアドリブ。逆にモードじゃないと、こんなに自由度の高い、意外性の高いアドリブは出来ないだろう。
若きマイルス・デイヴィスとのやり取りの中にあった「全てのサウンドのChangeを知りたい」という言葉も切っ掛けになり、ジョージ・ラッセルにより考案されたリディアン・クロマティック・コンセプト(Wikipediaより)。そして、これを切っ掛けとしてモード・ジャズが生まれる。とにかくモード・ジャズは面白い。ただ弾き手をシビアに選ぶ奏法である。しかし、そこがまた面白い。
「リディアン・クロマティック・コンセプトを考案した」なんて小難しそうなので、敬遠されるのかなあ。意外と我が国では知られていないのだが、このジョージ・ラッセルの『Ezz-Thetics』は、マイルス・デイヴィスの『Kind of Blue』と双璧をなすモード・ジャズの教科書の様なアルバムです。とにかく、ドルフィーが凄い。完璧にモード奏法をマスターしてます。
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