« ポップだがジャズに踏み留まる 『Common Touch』 | トップページ | これはハードバップど真ん中 »

2019年6月15日 (土曜日)

西海岸系のフュージョンの先駆

今日は一日雨。とにかく結構強めに降る雨で「これは梅雨の雨やないなあ」と思っていたら、そう言えば、今年の梅雨入りについては、九州北部、四国、中国、近畿地方はまだ正式に梅雨入りしていないことに気がついた。今年の梅雨はちょっと変則な梅雨で、寒暖差も激しく、体がついていかない。
 
これだけの雨の日になると、ジャズも難しい純ジャズは精神的にしんどい。こういう時は疾走感&爽快感溢れるフュージョン・ジャズが良い。確かに、梅雨時の我がバーチャル音楽喫茶『松和』については、フュージョン・ジャズを選択するケースが多いかな。特に米国西海岸系のフュージョンが爽やかで良い。そういうことで、今日選んだ盤の中で印象的だったのが、この盤。

『Tom Scott and the L.A. Express』(写真左)。1974年のリリース。サンボーンと並んでフュージョン・アルトの雄、トム・スコットのThe L.A. Expressとの共演盤。ちなみにパーソネルは、Tom Scott (sax & Woodwinds), Larry Carlton (g), Max Bennett (b), Joe Sample (p, key), John Guerin (ds, pers)。今の目で振り返れば、サックスにスコット、キーボードにサンプル、ギターにカールトン。レジェンド級のメンバーがいる。
 

Tom-scott-la-express

 
クロスオーバー・ジャズが全盛の1974年のリリースであるが、演奏内容としては、既に後のフュージョン・ジャズの音を先取りしている。テンポの速い曲もミドルテンポの曲も、楽器の演奏能力は非常に高く、しっかりとソフト&メロウしている。流麗なフレーズの連続であるが、甘さに流されることは無い。演奏のフレーズの中にしっかりと芯が感じられ、意外と硬派なアドリブ展開は魅力的。
 
米国西海岸のフュージョンだけあって、ファンクネスは抑え気味、リズム&ビートも切れ味優先、それでも出てくるオフビートは8ビートで強烈にスイングする。流麗なジャズファンク。リーダーのトム・スコットのアルト・サックスが疾走感溢れるアドリブ・フレーズを吹きまくる。カールトンのギターとサンプルのキーボードがバックで醸し出す流麗なグルーヴ感。堪らない。
 
ジャケットも秀逸。この爽やかなエロティシズム漂うジャケットが、この盤に詰まっているフュージョン・ジャズの「音の充実」を保証する。とにかく切れ味抜群のフュージョン・ジャズの先駆。こういう盤はいつの時代にも古びることは無い。今の耳でも聴く度に新しい発見がある好盤です。特に、フュージョン・ジャズ者の方々にお勧め。
 
 
 
東日本大震災から8年3ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
 
Never_giveup_4
 
Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

« ポップだがジャズに踏み留まる 『Common Touch』 | トップページ | これはハードバップど真ん中 »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« ポップだがジャズに踏み留まる 『Common Touch』 | トップページ | これはハードバップど真ん中 »

リンク

  • まだまだロックキッズ(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のロック」盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代ロックの記事を修正加筆して集約していきます。
  • 松和の「青春のかけら達」(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のJポップ」、いわゆるニューミュージック・フォーク盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代Jポップの記事を修正加筆して集約していきます。           
  • AORの風に吹かれて(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    AORとは、Adult-Oriented Rockの略語。一言でいうと「大人向けのロック」。ロックがポップスやジャズ、ファンクなどさまざまな音楽と融合し、大人の鑑賞にも堪えうるクオリティの高いロックがAOR。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、AORの記事を修正加筆して集約していきます。  

カテゴリー