東欧~中東的旋律が更に濃厚
現代のNYのジャズのトレンドの1つに「イスラエル出身のジャズ・ミュージシャンの台頭」がある。イスラエル・ジャズは、老舗本国の米国、欧州について、新たなジャズの聖地になる位の勢いでメジャーな存在になってきている。もはや、イスラエル発のジャズは無視出来ない存在になってきている。
イスラエル・ジャズの特徴はと言えば、ネットを紐解くと「イスラエル、ジューイッシュ(ユダヤ)の哀愁を帯びたフレーズやメロディ、または近隣アラブ諸国〜北アフリカ地域の音楽的要素なども取り入れられており、結果生成された今までにないハイブリッドなジャズ・サウンドが特徴」とある。
Omer Avital『Qantar』(写真左)。昨年8月のリリース。ちなみにパーソネルは、Omer Avital (b), Eden Ladin (p, key), Ofri Nehemya (ds), Alexander Levin (ts), Asaf Yuria (ss, ts)。アヴィシャイ・コーエンと並びイスラエル出身2大ベーシストと称されるオメル・アヴィタルの最新作。同郷の盟友たちで結成された新ユニット「オメル・アヴィタル・カンター」のお披露目盤である。
2管フロントが映える、冒頭の「One Man’s Light Is Another Man’s Night」の疾走感。旋律の美しさが際立つ5曲目の「Beauty and the Beast」。アヴィタルの必殺ウォーキング・ベースが炸裂する、ラストの「Know What I Mean?!」。バンドメンバー、それぞれの演奏が抜群に上手い。その充実度合いは、聴き始めたら最後まで一気に聴き通してしまう位。
中でも、やはり、リーダーのアヴィタルのベースが素晴らしい。伝統を踏まえた、胴鳴りを伴った、鋼がしなるが如く響く弦の重低音。安定したビート。安定したピッチ。見事なジャズ・ベースである。このアヴィタルのベースが東欧~中東的旋律にグルーヴ感を与えている。エキゾチックなグルーヴ感。イスラエル・ジャズの面目躍如。
東欧~中東的旋律については更に濃厚になっている。全編、東欧~中東的旋律で埋められている、と言っても過言では無い内容。東欧から中東的旋律が好きなジャズ者にとっては堪らない内容になっている。いわゆる「中近東的エキゾチックな雰囲気」満載な好盤。イスラエル・ジャズ以外、他にありそうでない「東欧~中東的旋律が満載」のコンテンポラリーな純ジャズ。良いアルバムです。
東日本大震災から8年2ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
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