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2019年5月31日 (金曜日)

いかにも日本人らしいトリオ盤

日本の純ジャズは1960年代から、そのレベルは高い。とにかく勉強熱心な国民性をしている。ジャズについても、日夜、研究に研究を重ね、実地訓練(セッション)を重ね、遂には、バークリー音楽院に留学してしまう。この熱心さが故、日本の純ジャズのレベルは1960年代後半から飛躍的に向上する。そして、1980年代の純ジャズ復古の動き以降、日本の純ジャズは高いレベルを維持したまま、何時の時代も一定数の優れたジャズ・ミュージシャンを輩出し続けている。

特に、日本女子のジャズ演奏家の台頭が目覚ましい。1990年代以降、優れた若手ジャズ演奏家と言えば、ほぼ決まって「女子」である。理由はよく判らないがそれが事実。これは日本だけの傾向みたいで、この20年間を振り返ると、日本人女子の優れたジャズ演奏家が大勢出た。しかも、現代においてもしっかりと残っているメンバーが10人以上いる。これって素晴らしいこと。

三輪洋子『Pathways』(写真左)。2017年の作品。ちなみにパーソネルは、Yoko Miwa (p), Will Slater (b), Scott Goulding (ds)。神戸出身ボストン在住の女流ジャズ・ピアニスト、三輪洋子がリーダーのトリオ盤である。ジャズ・ピアニストの王道路線ともいうべきピアノ・トリオ盤、しかも、自主制作という骨太な盤。女性らしからぬ力強い、ゴスペル風のゆったりとしたファンクネス漂う端正なタッチ。
 
 
Pathways-miwa
 
 
僕はこの三輪のピアノが大のお気に入り。初リーダー作からずっと聴いてきた。米国ルーツ音楽の雰囲気が色濃く漂うタッチ。特に、ライトで爽快なゴスペル風のフレーズを弾き回すのが実に上手い。ちょっと初期のキース・ジャレットに似ているが、三輪の方が女性であるが故、ライトで爽快な雰囲気が、耳に心地良く馴染む感じが実に良い。
 
Joni Mitchell, The Beatles, Marc Johnson らの楽曲カヴァー(アレンジ能力に優れた証明)に加え、自身のオリジナルを配して、アルバム全体の選曲も良い感じ。逆に有名スタンダード曲を一切排除しているところに好感が持てる。特に、カヴァー曲が良い出来。三輪のタッチの個性が十分に映える。さすが日本人のジャズだけあって、ファンクネスは希薄、軽快なオフビートで、良い意味であっさりとしたスイング感を醸し出す。これがとても良い方向に作用している。
 
日本人によるピアノ・トリオ盤。リズムパターンやコード進行にもきめ細やかな工夫を施して、いかにも日本人らしい。聴いているとそれを強く実感する。日本人らしいハーモニー感覚とメロディー感覚の中で、ライトで爽快なゴスペル風のフレーズ。そんなに強烈な印象を残す個性では無いのに、この合わない様でしっかりとバランスの取れた三輪独特のフレーズは癖になる。
 
 
 
日本大震災から8年2ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
 
Never_giveup_4
 
Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

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