難解ではなく「癖の強いピアノ」
いきなり寒くなりました。困ったもんです。昨日は夏日に近く、家に帰り着いても暑くて、家の中では半袖で過ごして丁度良かったのですが、今朝からは一転「寒い」。最低気温は8度位低く、昼間の気温に至っては10度以上も低い。真冬に逆戻りである。冬服をしまわなくて良かった。
急に寒さが戻っても、ジャズを聴く日々は変わらない。今日は、ブルーノート・レーベル4300番台の聴き直し。4303番のAndrew Hill『Grass Roots』(写真左)である。1968年8月5日の録音。ちなみにパーソネルは、Andrew Hill (p), Ron Carter (b), Freddie Waits (ds), Booker Ervin (ts), Lee Morgan (tp)。
アンドリュー・ヒルのピアノについては、ジャズを聴き始めた頃、さっぱり判らなかった。かのブルーノート・レーベルの総帥、アルフレッド・ライオンは、アンドリュー・ヒルの才能に惚れ込み、推しに推したが、道半ばでライオンが引退してしまった。1980年代にブルーノート・レーベルが復活した時にも、ライオンがまず始めたことはアンドリュー・ヒルを再び売り出すことだったという。
ジャズを聴き初めて、20年ほど経って、やっとアンドリュー・ヒルのピアノの個性が理解出来る様になった。一言でいうと「新時代のセロニアス・モンク」。判り易いモンクという感じの、予測可能な範囲で飛んだり跳ねたりするピアノ。この『Grass Roots』というアルバムについても、そのヒルの「判り易いモンク」という部分を強調するようなプロデュースを施している様に感じる。
「難解なピアノ」という表現はちょっと違う様な気がする。「癖の強いピアノ」という表現がまずまずフィットする感じかな。ある程度、モンクのピアノに親しむことが出来る位になって、ヒルのピアノの「予想できる範囲の中で飛んだり跳ねたりする」個性が何となく判る様になる。そして、ヒルの幾何学模様的にスイングするような「捻れ」が心地良く耳に響く様になる。
この『Grass Roots』の中にも、このモンクのピアノより聴き易く慣れ易い、幾何学模様的にスイングするような「捻れ」が前面に押し出されていて、ヒルの個性が凄く確認し易い内容になっている。ただ、往年のブルーノート・レーベルらしからぬジャケット・デザインの平凡さだけが「玉に瑕」である。子供のじゃれ合う写真とヒルの癖の強いピアノ。イメージが明らかにアンマッチである(笑)。
東日本大震災から8年1ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
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