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2019年4月27日 (土曜日)

メインのオルガンが控えめに響く

ブルーノート・レーベルの4300番台は、1968年〜1972年の間のリリースなので、ジャズのポップス化の影響をモロに受けた時代だと思う。アルバムの内容についても、演奏スタイルとしてはハードバップがメインなのだが、雰囲気がポップなものが散見される。ということで、内容的にちょっと俗っぽくなっている。

John Patton『Understanding』(写真左)。ブルーノートの4306番。1968年10月25日の録音。ちなみにパーソネルは、Harold Alexander (ts, fl), John Patton (org), Hugh Walker (ds)。ジョン・パットンがオルガンとベースを担当した、典型的なオルガン・トリオの演奏である。ちなみに、ジョン・パットン以外の2人については僕はあまり良く知らない。
 
ジョン・パットンは1935年生まれ。このアルバムを録音した時は33歳。ジャズ界ではまだ若手レベル。オルガンの演奏の若々しい。アーシーなグルーヴ感が適度に織り込まれていて、ファンクネスの度合いも適度。アドリブ・フレーズにはモーダルな展開が見え隠れして、ジャズ・オルガンとしては新しい類の響きがする。
 
 
Understanding-john-patton  
 
 
リーダーのジョン・パットンはモーダルなフレーズをメインに、時々フリーキーな面を見せつつ、比較的オーソドックスにプレイに終始している。オーソドックスなプレイもどこかポップに迎合した様な、判り易くポップな演奏が時々顔を出す。軽音楽的なイージーリスニングに陥り易い、危ういポップなアレンジが施されている。

そんなアレンジに中でも、パットンのオルガンのフレーズは惑うことが無い。紡ぎ出されるフレーズの力強さと繊細さの両立が実に頼もしい。パットンのオルガンとヒュー・ウォーカーのドラムとの相性が良い。ウォーカーのドラミングが、ソウルフルなオルガン・ジャズの躍動感を増幅している。
 
リーダーのオルガンがやや控えめに響く、ポップに傾いたモーダルなオルガン・ジャズ。ギリギリ純ジャズの印象を留めているので、決して飽きは来ない。但し、ファンクネスはその分、控えめになっており聴き易い。ジャケットのデザインだけが平凡で実に惜しい。
 
 
 
東日本大震災から8年1ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
 
Never_giveup_4
 
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