メイバーンの最新ライブ盤は見事
ジャズ・ピアニストについて、その個性は明らかに違いが判る。大体1〜2分聴けば、有名なレジェンド級のピアニストだったら、何となく誰のピアノなのかが判るくらいだ。わざとその個性の違いが判る様に、ピアニスト自身が、それまでに出てきたレジェンド級のピアニストの真似は決してしない、と示し合わせているのでは、と疑いたくなるくらいだ。
この人のピアノ、僕は最初に聴いた時から、ズッとお気に入り。両手のブロック奏法でスケールの広い弾きっぷりが見事。よく回る右手はファンキーで多弁。左手の力感溢れるオフビート。耽美的なピアノや、音の空間を大事にする音を厳選したピアノを良しとする人達からは、思いっきり避けられるピアノですが、僕はこの人のダイナミックなピアノが好きです。
Harold Mabern『The Iron Man:Live at Smoke』(写真左)。2018年11月のリリース。ちなみにパーソネルは、Harold Mabern (p), Eric Alexander (ts), John Webber (b), Joe Farnsworth (ds)。2017年12月17日からNYのジャズクラブ、スモークで行われた「カウントダウン2018-ジョン・コルトレーン・フェスティバル」でのライブ録音。
メイバーン、良い音、出してます。そう、リーダーは、ピアニストのハロルド・メイバーン。テネシー州メンフィス生まれが、彼のピアノの音に反映されているのか、ファンキーでゴスペルっぽいハーモニーが素敵な「両手のブロック奏法」。ダイナミズム抜群、爽快感溢れるハードバップなピアノは明らかに「ハロルド・メイバーン」。気持ちがスカッとする弾きっぷりは見事。
印象的な力感溢れるテナーは、エリック・アレキサンダー(略してエリアレ)。エレアレのテナーは絶好調。メイバーンの下でエレアレがフロントを務めるこのカルテット構成は既に30年以上が経過している。それほどまでに、それぞれの演奏は充実していて、内容が濃い。一糸乱れぬユニゾン&ハーモニーとイマージネーションと統率が共存するアドリブ展開。とっても良く鍛錬されたカルテット。
CD2枚組のボリュームですが、メイバーンとエレアレのパフォーマンスが群を抜いていて、聴き応え十分、最後まで飽きることはありませんでした。メイバーンも最初から最後までピアノを弾きまくりで、「アイアン・マン」の異名にも納得できるパフォーマンス。こういうネオ・ハードバップなライブ盤は素敵です。この盤、思わず最近の「ヘビロテ盤」になりました。
東日本大震災から7年11ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
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