最近のトラックバック

« 音楽喫茶『松和』の昼下がり・67 | トップページ | ショーター翁の素晴らしき3枚組 »

2019年2月13日 (水曜日)

「即興」の音楽の面白さの1つ

クラシックは「再生」の音楽だという。譜面があって、そこに音符が書かれていて、弾くスピードは指定され、フレーズ毎の音の強弱、弾くタッチの種類まで、克明に指定されている。ピアニストはその譜面を理解し、その譜面通りに弾こうとする。譜面通り弾くことこそが作曲者の意図するピアノ曲だ、ということ。譜面通り弾くことが基本。よって「再生」の音楽である。

ジャズは「即興」の音楽。譜面は基本的に無い。あってもテーマ部のアンサンブルの楽譜のみ。アドリブ部の譜面は基本的に無い。弾くスピード。フレーズ毎の音の強弱、弾くタッチの種類などはいずれも全く指定されていない。その曲をピアノで表現するイメージは、ピアニストの感性とテクニックに委ねられる。その曲を弾く、その時その時でイメージが変わる。よって「即興」の音楽である。

よって、ジャズの世界では「再生」というキーワードは基本的に無い。例えば、ジャズピアニストの数だけ、その曲を弾く、タッチやイメージ、解釈が存在するのだ。クラシック・ピアノの場合、その曲を弾くイメージは基本的にどのピアニストも同じ。同じイメージの中でピアニスト毎の解釈があって、微妙なニュアンスのレベルなんだが、しっかりと個性が発揮される。
 

Ray_bryant_1956  

 
このところ、オスカー・ピーターソンのピアノ・トリオの聴き直しているのだが、その合間に別のピアニストのトリオを聴く。こんなに違うんだ、と改めてビックリする。今日、ピーターソンの合間に聴いたピアノ・トリオ盤が『Ray Bryant Trio(1956年)』(写真左)。パーソナルは、Ray Bryant (p), Wyatt Ruther (b), Kenny Clarke (ds, tracks 2, 4, 8 & 9), Osie Johnson (ds, tracks 3, 10 & 12), Jo Jones (ds, tracks 1, 5–7 & 11), Candido (perc, tracks 1 & 7) 。2トラックだけパーカッションが入るが、基本はピアノ・トリオ。

このトリオ盤は、レイ・ブライアントのピアノをとことん愛でる盤。ファンクネスがほど好く漂い、右手のタッチは明快でよく回る。左手は低音がゴーンと伸びる様に響いて、粘りがあってリズミカル。両手で奏でるユニゾン&ハーモニーはゴスペル風な哀愁を仄かに帯びた響きが漂う。特に彼の個性はラテン風の曲やブルース曲で発揮される。これがたまらない。

オスカー・ピーターソンとレイ・ブライアント。同じ曲を弾く二人のジャズ・ピアニスト。ピアノ・トリオとしての演奏の展開は同じハードバップで同じ曲を演奏しているのに、そのイメージ、弾くスピード。フレーズ毎の音の強弱、弾くタッチの種類など、全く異なる。それでも、ピアノ・トリオとしての演奏の展開は同じハードバップ。これがジャズの面白さの1つであり、即興音楽の面白さなのだ。

 
 
東日本大震災から7年11ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

« 音楽喫茶『松和』の昼下がり・67 | トップページ | ショーター翁の素晴らしき3枚組 »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 「即興」の音楽の面白さの1つ:

« 音楽喫茶『松和』の昼下がり・67 | トップページ | ショーター翁の素晴らしき3枚組 »

リンク

  • 松和 / ジャズ・フュージョン館
    ホームページを一新しました。「ジャズ・フュージョン館」と「懐かしの70年代館」の入り口を一本化し、内容的には、当ブログの記事のアーカイブを基本としています。  
  • 松和 / 懐かしの70年代館入口
    更新は停止し、新HPへ一本化中。新しいブラウザーではレイアウトが崩れたりと申し訳ありません。
2019年6月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30            

カテゴリー

常連さんのブログ

  • 70年代思い出の名曲
    music70sさんのブログ。タイトル通り、定期的に、70年代の懐かしのアルバムを紹介されています。なかなか、マニアックなアルバム選択、曲選択に、思わずニンマリしてしまいます。
  • いそいそジャズ喫茶通い
    yuriko*さんのブログ。都内のジャズ喫茶への訪問記録。ジャズと言えば『ジャズ喫茶』。敷居が高くて、と思っている方々に是非読んで頂きたいブログ。実際の訪問記録ですから読んでいて楽しく、実際の訪問時の参考になります。
無料ブログはココログ