« クロスオーバーなビッグバンド | トップページ | ゴルソンのテナーとアレンジ »

2019年1月24日 (木曜日)

オリバー・ネルソンのテナーって

オリバー・ネルソン(Oliver Nelson)は中堅のテナー奏者である。しかし、アレンジャーの面ばかりが取り立たされる、ある意味「気の毒な」ジャズメンである。ジャズ盤紹介本に挙がるアルバムは『The Blues and the Abstract Truth』(邦題『ブルースの真実』)ばかり。テナー奏者の側面に着目したアルバム紹介にお目にかかったことが無い。

オリバー・ネルソンって、自らのリーダー作だけでも、コンボからジャズオケまで、30枚以上のアルバムをリリースしている。米国では一流のテナー奏者扱いである。しかし、我が国ではオリバー・ネルソンと言えば、ジャズを良く知っている人手さえ、ああ、あの『ブルースの真実』のアレンジャーね、で終わり。テナー奏者のアルバムは、と問えば、大体が「知らんなあ」。あの『ブルースの真実』でも良いテナー吹いているのにねえ。

で、オリバー・ネルソンのテナー奏者の側面に着目したアルバムを選んでみる。まずはこれでしょう。『Meet Oliver Nelson』(写真左)。オリバー・ネルソンの初リーダー作である。1959年10月30日の録音。ちなみにパーソネルは、Oliver Nelson (ts), Kenny Dorham (tp), Ray Bryant (p), Wendell Marshall (b), Art Taylor (ds)。フロント2管のクインテット構成。
 

Meet_oliver_nelson

 
さすが初リーダー作、ネルソンのテナーが堪能出来る。素直で力感程良く、ファンクネスが適度に漂う、とても趣味の良い正統派テナー。テクニックはそこそこなんだが、濃すぎず薄すぎず、それでいてしっかりと芯の入ったフレーズを連発する。聴き易いテナーで、ネルソンのメロディックな自作曲にピッタリのテナー。というか、自分のテナーの魅力を最大限に聴かせてくれる自作曲ですね。

レイ・ブライアントのピアノ、ウェンデル・マーシャルのベースにアート・テイラーのドラムスによる、これまた適度にファンクネス漂うリズム・セクションも秀逸。それと、この盤でのケニー・ドーハムが意外と溌剌とブリリアントなトランペットを聴かせてくれています。時代は1959年、ファンキー・ハードバップな演奏がとても魅力的です。

アルバムに収録された演奏それぞれのアレンジは、明らかに「ネルソン流のアレンジ」。後に有名となる『ブルースの真実』に出てくるネルソン流のアレンジの個性や癖が、この初リーダー作にも既に漂っています。思わずニンマリしてしまいますねえ。ファンキー・ハードバップな演奏良し、ネルソン流のアレンジ良し、オリバー・ネルソンのテナーを堪能出来る好盤です。

 
 

東日本大震災から7年10ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

« クロスオーバーなビッグバンド | トップページ | ゴルソンのテナーとアレンジ »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: オリバー・ネルソンのテナーって:

« クロスオーバーなビッグバンド | トップページ | ゴルソンのテナーとアレンジ »

リンク

  • まだまだロックキッズ(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のロック」盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、 ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で、不定期に掲載した、70年代ロックの記事を修正加筆して集約していきます。
  • 青春のかけら達(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のJポップ」、いわゆるニューミュージック・フォーク盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでのジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で、不定期に掲載した、70年代ロックの記事を修正加筆して集約していきます。         
2019年11月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

カテゴリー