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2019年1月 9日 (水曜日)

何時の時代も「ハードバップ」

1960年代後半から台頭してきたロック・ムーヴメント。旧来からのジャズを大衆音楽の片隅に追いやり始めた。そして、当のジャズは、ファンキー・ジャズやソウル・ジャズといったジャズの大衆化とフリー・ジャズの急速な進展によるカルト化という二曲化が進み、多様化が顕著になっていた。

それでも、そんな時代でも、ジャズの基本中の基本なスタイル「ハードバップ」はしっかりと根を下ろしていた。ロック・ムーヴメントが顕著になってきた1960年代後半でも、ハードバップな好盤はしっかりと残されている。つまり、1960年代では、まだまだジャズについては需要があった、ということであろう。

Milt Jackson Quintet featuring Ray Brown『That's The Way It Is』(写真)。1969年8月の録音。ちなみにパーソネルは、Milt Jackson (vib), Teddy Edwards (ts), Monty Alexander (p), Ray Brown (b), Dick Berk (ds)。ソウルフルなヴァイブの使い手であるミルト・ジャクソンとベース職人、レイ・ブラインとの双頭クィンテットのライブ盤。
 
Thats_the_way_it_is
 
米国西海岸ジャズのライヴ拠点、Shelly's Manne Holeでのライヴ録音。ライヴだけにメンバー全員、躍動感溢れる演奏を繰り広げている。特に、リーダー格のミルト・ジャクソンのヴァイブのドライブ感が素晴らしい。もともとミルトのヴァイブはファンクネスが溢れている。そこにドライブ感がかかるのだ。ソウルフルこの上無い。

このファンクネス溢れる演奏は、もはや「ソウル・ジャズ」の範疇だ。若手ピアニスト、モンティ・アレキサンダーのピアノが、これまた素晴らしい。とにかく多弁でファンキー。ミルトを凌駕する位にドライブ感溢れる指回し。このドライブ感溢れるヴァイブとピアノをしっかりと支え、演奏全体を統率するのは、レイ・ブラウンの骨太なアコースティック・ベース。

聴けば聴くほど、魅力的に響くハードバップなライヴ演奏の数々。聴衆もしっかり盛り上がっていて良い雰囲気です。こんな素晴らしい内容のハードバップが1969年に演奏されていたとは。リラックスした雰囲気の中で繰り広げられる、ソウルフルなブルース・フィーリングが心地良い。好盤です。

 
 
東日本大震災から7年9ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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