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2019年1月31日 (木曜日)

大らかで豊かな挾間の第3作目

ジャズ雑誌「ジャズライフ」の2018年度「ジャズ・アルバム・オブ・ザ・イヤー」の日本人ジャズのアルバムを見ていて、本当に日本人ジャズって、レベルが高くなったなあ、としみじみ思った。どのアルバムも米国、欧州のジャズと比較しても引けを取らない、どころか、日本人ジャズならではの個性が煌めいていて聴き応え十分。立派なもんだ。

Miho Hazama『Dancer in Nowhere』(写真左)。2018年11月のリリース。2015年リリースのオリジナル・アルバム『Time River』以来約3年振りとなる、挾間美帆の第3作目である。前2作のコンセプトを引き継いでの、前2作と同様、自身の室内楽団「m_unit」を率いての作品。前2作と併せた「3部作」のラスト・ピース。

演奏を聴くと、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロを含むラージ・アンサンブル・ジャズをさらに発展・深化させ、余裕とスケールの豊かさ、懐の深さが十分に感じられるのが頼もしい。挾間のリーダー作も3作目になるので、マスコミ的にはあまり大きな話題とならないみたいだが、音の出来はこの第3作目が一番、大らかで豊かである。雰囲気的には、ギル・エヴァンス〜マリア・シュナイダーの系譜を引き継いでいるようにも感じる。
 

Dancer_in_nowhere

 
この第3作目の音の特徴としては、米国ジャズのサウンド傾向が少し希薄になっていて、日本人ジャズの個性が前面に押し出てきた印象。かつ、部分部分で東欧やバルカン風の旋律が見え隠れして、多国籍な音のコラージュという風情がとても楽しい。いかにもっていうメリハリの効いた展開は部分的になって、パッと聴いた時はちょっと物足りなさを感じたりするのだが、聴き続けると、余裕とスケールの豊かさを感じる味わい深い展開がツボに入って全く飽きない。

ゲスト参加として、今をときめく、ギタリストのリオーネル・ルエケとドラマーのネイト・ウッド、NY育ちのインド系女性シンガーカヴィータ・シャーの名が見える。このゲストの参入が、挾間の創り出す音にエスニックな雰囲気を付加する効果を出している。ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロが効果的に作用して、狭間ならではのユニークな響きが個性のラージ・アンサンブル・ジャズである。

収録曲の全8曲中7曲が挾間自身の作曲とアレンジによるもの。この個性溢れる挾間の楽曲もこの盤の魅力のひとつ。そんな中に、ジョン・ウィリアムスによる1984年ロサンゼルス・オリンピックの「テーマ&ファンファーレ」のカヴァー演奏が入っているのがユニークと言えばユニーク。挾間のアレンジ能力の高さを再認識して思わす「聴き込んで」しまいます。ラージ・アンサンブル・ジャズの好盤として、ジャズ者万民に一度は聴いて貰いたい好盤です。

 
 

東日本大震災から7年10ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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