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2018年12月 1日 (土曜日)

唯一無二な「モード・ヴァイブ」

僕がジャズを聴き始めた頃、今を去ること40年前。ジャズ・ヴァイブについては、ミルト・ジャクソン、以上、だった。しかし、当時、チック・コリアとのデュオで人気の出た、ゲイリー・バートンのヴァイブの方が僕は好きだった。でも、ミルトは別格だったなあ。きっと今でも、ジャズ・ヴァイブの代表的ジャズメンは誰か、と問えば、ミルト・ジャクソンとゲイリー・バートンの二人に落ち着くんだろうなあ。

ジャズを聴き進めて行くと、他にもジャズ・ヴァイブの魅力的な演奏家がいることに気がつく。ミルトはジャジーでファンキーな正統派ジャズのヴァイブ、バートンはニュー・ジャズな響きが個性のヴァイブ。この代表的なヴァイブ奏者2人とは全く異なる個性の持ち主が幾人か存在する。そんな中の一人が「ウォルト・ディッカーソン(Walt Dickerson)」。

ウォルト・ディッカーソンは米国フィラデルフィア出身。1928年生まれで2008年、80歳で鬼籍に入っている。彼のヴァイブの個性を表すキャッチーフレーズが「ヴァイブのコルトレーン」。基本がモーダルなヴァイブで、ジャジーではあるがファンクネスは希薄。いわゆる1960年代の「新主流派」の音がメインのヴァイブなのだ。
 

This_is_walt_dick  

 
『This Is Walt Dickerson』(写真・ジャケ違い)。1961年3月7日の録音。ちなみにパーソネルは、    Walt Dickerson (vib), Austin Crowe (p), Bob Lewis (b), Andrew Cyrille (ds)。タイトルから判る様に、この盤はウォルト・ディッカーソンの初リーダー作である。パーソネルについては、ディッカーソン以外、知らない名前ばかり。どんな音が飛び出すやら想像がつかない。

演奏はモーダルな自由度の高い、ストイックでカッチリとしたメインストリーム・ジャズ。ディッカーソンのヴァイブは、モーダルな演奏特有の浮遊感溢れる展開、思索的な理屈っぽいサウンドが特徴。「ヴァイブのコルトレーン」と形容されている様だが、ちょっとそれは違うかな。モーダルな演奏の部分は同じと言えば同じだが、コルトレーンより思索的で理屈っぽい。それでもヴァイブのフレーズはしっかりと明確で好感度は高い。

この初リーダー作にして、当時、ジャズ・ヴァイブの第一人者であったミルト・ジャクソンとの差別化に成功している。ただ、ファンキーな要素が希薄で、キャッチャーなフレーズが少ないが故、取っ付き難い演奏ではあるが、非常にカッチリとした、正統なモード・ジャズなので、慣れてくるにつれ味わいが出てくる。実にストイックでスタイリッシュな「モード・ヴァイブ」である。

 
 

東日本大震災から7年8ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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