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2018年12月16日 (日曜日)

バカテク・ポップ路線の集大成

日本発のフュージョン・バンド「Casiopea(カシオペア)」。1980年代前半から中盤にかけてが、商業的に一番成功した時期である。メンバーは、野呂一生 (g), 櫻井哲夫 (b), 向谷実 (key), 神保彰 (ds)。音楽誌『ADLiB』での上々の評価、連載企画「ブラインド・フォールド・テスト」での海外有名フュージョン・プレイヤーの高い評価もあって、人気は不動のものとなっていく。

Casiopea『Photographs』(写真左)。1983年のリリース。このアルバムのリリースから、我が国における「カシオペア人気」が高まっていく。野呂がインド、向谷がヨーロッパ、桜井が南米、神保がアメリカへと武者修行の一人旅に出た後に制作されたアルバムで、その成果が反映された音作りがなされている、という評価もあるが、それは違うと思う。

しっかり聴いてみると判るが、あまりそれぞれの旅先の特色ある音が反映されている内容では無い。どちらかと言えばファンク色をやや強めながらも、爽快感と疾走感溢れるバカテク・フュージョン集団という従来のカシオペアの音をしっかりと踏襲している。従来のカシオペアの音の最初の「集大成」的な音作りが堪らない。
 

Photographs_casiopea  

 
強力なアドリブ・フレーズのフロント隊とタイトで堅実なリズム隊が上手くフィットして、メンバー全員のハイ・テクニックと相まって、カシオペア独特の音世界を創出している。野呂のスキャットや櫻井+野呂によるデュエットなど、従来のカシオペアからすると意外な遊び心もあり、メンバー全員の音作りに対する余裕を感じる。そんな余裕が良い方向に作用した好盤だろう。

特にこのアルバムに収録された曲を聴いていて感じるのは「アレンジの素晴らしさ」。この盤、どの曲もアレンジが優れている。アレンジのアイデアもなかなかのもので、聴いていてメリハリが効いていて飽きが来ることが無い。4人のメンバーが4者4様、それぞれの個性を発揮しつつ、台頭の立場で競い合っている、そんな感じの適度なテンションが心地良い。

いわゆるカシオペアの最大の個性である「バカテク・ポップ路線」の集大成。この後、カシオペアはファンク度を高め、米国マーケットを狙う様な音作りに変化していく。日本人の日本人による日本人の為のフュージョン・バンドのピークを捉えたアルバムとして評価出来る秀作です。

 
 
東日本大震災から7年9ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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