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2018年11月 3日 (土曜日)

ローゼンウィンケルのデビュー盤

ジャズ・ギタリストの好みとしては、1950年代のハードバップ時代に大活躍した、伝統的なレジェンド級のギタリストよりは、1980年代以降にデビューした、正統派ジャズ・ギタリストの方が好みである。恐らく、1970年代以降、電気楽器としてのギターの環境は飛躍的に発展して、フロント楽器として、管楽器に引けを取らない音が出せるようになったからだろう。1950年代から60年代のジャズ・ギターについては、まだまだ出てくる音がチープだった。

Kurt Rosenwinkel『East Coast Love Affair』(写真左)。1996年7月の録音。ちなみにパーソネルは、Kurt Rosenwinkel (g), Avishai Cohen (b), Jorge Rossy (ds)。ピアノも管も無しの質実剛健なギター・トリオ。デビュー盤であれば、フロントに管を入れたりして、ギターの音の薄さをカバーしたりするのだが、そういうお節介は一切無し。ローゼンウィンケルのギター一本で勝負のデビュー盤。

さて、この盤はカート・ローゼンウィンケルのデビュー盤である。ローゼンウィンケル(長い名前やなあ)は、米国フィラデルフィア出身、1970年10月生まれなので、今年で48歳になる。1996年のデビュー時は26歳。ちょっと遅咲きのギタリストである。バークリー音楽大学在籍時に、ゲイリー・バートンに見出される。この辺はパット・メセニーと同じやなあ。1990年代半ばの頃、ジャズクラブ「スモールズ(smalls)」を拠点に演奏をしており、この盤もこのクラブにおけるライヴ録音である。
 

East_coast_love_affair

 
ローゼンウィンケルのギターの音は「ジャズ・ギターの正統派」な音。音の響きは「ジム・ホール〜パット・メセニー」の系列であり、パットのギターの音よりも鋭角に切れ込み、音の太さも少し太め。パッと聴いた時は「パットかな」と思うんだが、2〜3分聴き続けていると「これは違うぞ、誰だこれは」ということになる。アドリブ・フレーズの展開などは、明らかに伝統的なハードバップの展開を基本としていて、聴いていて不思議と安心感が漂う。

このデビュー盤の収録曲を見渡してみても、「Pannonica」「’Round About Midnight」とセロニアス・モンクの曲が2曲選択されていて、その演奏を聴くと、ローゼンウィンケルのテクニックの確かさが良く判る。また、収録曲それぞれのアレンジもなかなかのもので、とてもデビュー盤とは思えない。ローゼンウィンケルの自作曲も2曲収録されていて、その出来も良好。ローゼンウィンケルって、ギタリストとしての才だけでなく、アレンジや作曲の才にも長けている。

バックのリズム&ビートを司るアヴィシャイ・コーエンのベース、ホルヘ・ロッシのドラムスもプログレッシブな響きを宿したローゼンウィンケルのギターをしっかりとサポートしていて、聴き応えがある。オーソドックスな純ジャズなアプローチをベースとして、ところどころにロックやソウルっぽい響きも見え隠れして、1970年代のロックやソウルをリアルタイムで体験してきた僕にとって、実に興味深く、楽しめる内容になっている。

 
 

東日本大震災から7年7ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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