ウッディ・ショウを思い出した
ジャズを聴き始めた頃から、その名前は知っていた。しかし、そのジャズメンのリーダー作は日本ではほとんど見なかった。その後、ジャズ喫茶で、そのジャズメンのリーダー作を聴かせて貰った。テクニック優秀、流麗でブリリアント、吹きすぎず、吹かなさすぎず、丁度良い塩梅の手数のトランペット。そのトランペットの名前は「ウッディ・ショウ(Woody Shaw)」。
ウッディ・ショウは1944年生まれ。米国はニュージャージー州ニューアーク出身。1962年18歳で初レコーディング。ハード・バップからアバンギャルドまで、様々な演奏スタイルに適応するテクニックを持つ。1960年代後半以降から1970年代にかけてフレディ・ハバードと並ぶ実力派のトランペッターとされた。しかし、何故か人気が無い。
はしたないまでに吹きすぎるハバードがそこそこの人気を得ていたのに比べて、ショウのトランペットは人気が無かったなあ。恐らく、1970年代、クロスオーバーからフュージョン・ジャズのブームの中、ハバードはジャズロックへ上手く転身して人気を得たが、ショウは伝統的なスタイルを踏襲し、フュージョン・ブームの中にその名は無かった。この辺がショウの人気の無さの原因だと僕は思っている。
しかし、今回、このライブ盤を聴いて、やっぱりショウのトランペットって凄いなあと思った。Woody Shaw Quartet『Live in Bremen, 1983』(写真左)。1983年1月のブレーメンでのライヴ演奏を収録したアルバム。ちなみにパーソネルは、Woody Shaw (tp, flh), Mulgrew Miller (p), Stafford James (b), Tony Reedus (ds)。ピアノにお気に入りのピアニスト、マルグリュー・ミラーが参加している。
ウッディ・ショウのトランペットは申し分無い。アグレッシヴで覇気に満ちていて流麗。何と言っても、ショウは吹きすぎないところが良い。高いテクニックの持ち主ながら、それをひけらかすことも無い。とても趣味の良い、ブリリアントなトランペットを披露してくれている。このトランペットについては「何故人気が無いのか」。不思議でたまらない。
ショウは、1989年、ブルックリンで地下鉄のホームから転落し左腕を切断。その後、同年5月に死去している。44歳。早過ぎる死であった。1970年代はクロスオーバーからフュージョン・ジャズの時代。伝統的なスタイルを踏襲したショウのリーダー作はあまり多く無い。が、この際である。改めて、ショウのリーダー作を順に聴き直してみようと思った。
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