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2018年10月23日 (火曜日)

ウィントンの考えるブルース集

ウィントン・マルサリスは、ジャズ・トランペットの代表的存在、とされるが、振り返ってみると「決定打」に乏しい、と僕は感じている。デビュー盤の『ウィントン・マルサリスの肖像』は素晴らしかった。しかし、それ以降、どうにも良いアルバムは出すには出すんだが、聴いていて「どこかつまらない」。

ウィントンがリーダーのそれぞれのアルバムにはテーマがあるみたいなんだが、それを生真面目に100%の力で表現しようとする。しかも、そのテーマについて、研究に研究を重ね、あらゆる好要素を集めて演奏に散りばめる。そこにウィントンの途方も無いテクニックを駆使して、その好要素を全て完璧に演奏してしまう。見事という他ない。しかし、ちょっと窮屈で遊びが無くて息が詰まる思いに駆られる。

Wynton Marsalis『Thick in the South : Soul Gestures in Southern Blue, Vol. 1』(写真左)。1991年のリリース。タイトルからも判る様に企画ものである。今回のテーマは「ブルース」。Vol. 1〜3まで、3枚のブルース集を1991年に集中してリリースしている。

しかしなあ。先のスタンダード集は頭でっかちで作られている感が強く、高い演奏テクニックを嫌と言うほど聴かされ、はっきり言って、Vol. 1以外は「面白く無かった」。このブルース集もその二の舞ではあるまいか。
 

Thick_in_the_south

 
Wynton Marsalis (tp), Joe Henderson (ts), Marcus Roberts (p), Robert Hurst (b), Elvin Jones, Jeff "Tain" Watts (ds)。パーソネルを見て、ちょっとホッとする。

フロントの相棒に、捻れテナーのベテラン、ジョーヘンを配し、ドラムには、伝説のポリリズム、レジェンド級のドラマー、エルビンが座る。この2人の存在が大きい。マルサリスの仲間である「新伝承派」で固めていない分、頭でっかち感、作られている感、テクニックひけらかし感が押さえられていて、なかなか充実した内容になっている。

テナーのジョーヘンが気持ちでブルースを吹き上げ、エルビンは「血」でブルージーなポリリズムを叩きまくる。そこに、マルサリスを始めとする「新伝承派」の面々が絡んでいく。頭でっかちでは太刀打ち出来ない。「損伝承派」の面々も気持ちと「血」でブルースを紡ぎ上げていく。

テクニックひけらかし感は抑制されたが、まだまだテクニックを前面に出しすぎるきらいはあるが、まずまずよく出来たブルース集に仕上がっている。ブルースのジャズ的解釈には「独りよがり感」は感じるが、ウィントンの解釈として聴けば、これはこれでアリかな、と思う。我が国ではあまり話題に挙がるアルバムでは無いが、一聴に値する好盤だと思います。

 
 

東日本大震災から7年7ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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