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2018年9月13日 (木曜日)

改めて聴く『Tête à Tete』

このところ、テテ・モントリューを聴き直している。というか、もともとちゃんと聴き込んでいなかったらしく、テテのピアノを聴いて、最初は違和感だらけ。テテはスペイン出身なので、もう少しスパニッシュな響きがフレーズに反映されていると思っていたのだが、意外とあっさりしている。耽美的な弾き回しかと思っていたら、バリバリ、ダイナミックに弾きまくる。あれれ、どうもこれは勉強の仕直しですな。

Tete Montoliu『Tête à Tete』(写真左)。1976年2月の録音。ちなみにパーソネルは、Tete Montoliu (p), Niels-Henning Ørsted Pedersen (b), Albert Heath (ds)。

テテ・モントリューはスペインはカタロニア出身、ベースのペデルセンはデンマーク出身、ドラムのアルバート・ヒースは米国出身ながら、1974年にスウェーデンに移住している。ということで、このピアノ・トリオはヨーロピアンなピアノ・トリオである。

このテテのピアノ・トリオ盤はジャズを聴き始めた頃に入手している。でも、当時、まだヨーロピアンなピアノ・トリオ盤に慣れていなかったことと、ジャズ者初心者が故に、米国ジャズ偏重の傾向があったため、この盤はあまり聴き込まなかった。不明を恥じるばかりである。当時、スティープルチェイス盤ってなかなか手に入らなかったのに勿体ない話である。
 

Tete_a_tete

 
いきなり冒頭の「What's New」の出だしのピアノのフレーズを聴くだけで、この盤は「いけてる」盤だと確信する。堅実で深いタッチ、爽快感溢れる弾き回し、よく回る指。しっかりとフレーズが響き、速い弾き回しも破綻が無い。これは良い。改めて、この『Tête à Tete』を聴いて、テテ・モントリューのピアノがとても魅力的に耳に響く。

ペデルセンのベースが凄く良い音。鋼の様な硬質な響きを振り撒きながら、ブンブンと唸るようにウォーキング・ベースを弾き進める。しかも、ピッチはバッチリ合っていて、リズム感もバッチリ合っていて揺らぎが無い。この魅力的な欧州的ベースを得て、テテは気持ちよさそうに弾き回す。

アルバート・ヒースのドラムも良い。ソリッドで粘らない、タイトで硬質なドラミングは明らかに欧州的。コーン、カーンと乾いた新のあるスネアの音が気持ち良く響く。多彩な技を繰り出してもリズム&ビートが破綻することは無い。

そう、テテのピアノ・トリオって、テテのピアノを始めとして、ペデルセンのベースもヒースのドラムも「良い音」してるんですよね。良い音に勝るジャズは無い。この『Tête à Tete』を改めて聴いて、感心することしきり。さあ、頑張ってテテのリーダー作を聴き直すぞ。
 
 
 
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Never_giveup_4

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