1970年代の先駆け的ギタリスト 『Giblet Gravy』
昨日から涼しくなった千葉県北西部地方。今日などは半袖でじっとしていると肌寒いくらいだ。台風が西日本に接近しつつあるので、天気は良くないのだが、これだけ涼しくなると、ジャズ盤鑑賞の幅も広がるし、ジャズを聴いていても汗ばむことも無い。今年の夏は酷暑続きだったので、ジャズ鑑賞も辛かったですね。というか、まず体調が思わしく無い日が多かったなあ。
そこで、ジャズ・ギターである。熱く弾きまくるジャズ・ギター、クールに弾き進めるジャズ・ギター。様々なパターンのジャズ・ギターを聴き比べたくなる。ジャズ・ギターは、エレギとそのアタッチメントの進歩によって、表現の幅が広がった。今ではホーン楽器と変わらない、音のバリエーションと強弱を手に入れている。
そんなジャズ・ギター、ギタリストによって個性が明らかに異なるので、聴いていて楽しい。今日は、George Benson『Giblet Gravy』(写真左)を選盤。1968年2月の録音。1968年の録音とは言え、曲毎にミュージシャンを選んで録音する、という、1970年代の録音手法が取られていて、録音時、リーダー以外、パーマネントなメンバーは存在しない。
それでもパーソネルを見渡すと、Eric Gale (g), Herbie Hancock (p), Ron Carter, Bob Cranshaw (b), Billy Cobham (ds) らの名前が確認出来て、ジャズロック〜クロスオーバーな音が顕著である。フュージョン・ジャズ全盛時にはソフト&メロウなフュージョン・ギターがウリのベンソンではあるが、この盤が録音されたのは1968年。まだまだバリバリに弾きまくっている。
そう、ベンソンは1960年代後半はソウル・ジャズ、ラテン・ジャズに大活躍。かなりハードなエレギに惚れ惚れする。これだけハードだとジャズよりはちょっとロックに寄っている雰囲気。聴き応え抜群である。特に、アドリブ展開におけるグルーヴ感とドライブ感が半端ない。このエレギの音を聴くと、当時、マイルスがセッションに呼んだ理由が理解できるような気がする。
ジャケ写を見れば時代を感じるんだが、若き日のギラギラしたベンソンが実に精悍。この頃のベンソンについては、単にウエス・モンゴメリーの後継者という切り口では無く、ハードバップを越え1970年代への橋渡しとなる、クロスオーバー〜フュージョン・ジャズなエレギの先駆者という位置づけで、もっと語られるべきギタリストであると僕は思う。
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