フュージョン志向な純ジャズ盤 『Crystal Green』
昨日のブログでご紹介した、Rainbow Featuring Will Boulware『Crystal Green』。1976年5月の録音だった。ギター・ベース・ドラムが伝説のフュージョン・バンド「スタッフ」のメンバー。加えて、趣味の良い端正なキーボードのブールウェア、パーカッションにラルフが担当。そこに、マイケル・ブレッカーの素敵なテナーが全編に渡って響き渡る。
そんなフュージョン志向な純ジャズ風な演奏が素敵な盤だったが、それから26年経って、Will & Rainbowの再会セッションが実現した。Will & Rainbow『Over Crystal Green』(写真左)。2002年1月の録音。ちなみにパーソネルは、Will Boulware (p,key), Will Lee (b), Steve Gadd (ds), Peter Bernstein (g), John Werking (syn), Michael Brecker (ts), Randy Brecker (tp), Bob Berg (ts)。
ブールウェアのアレンジが冴えに冴えていて、『Crystal Green』も『Over Crystal Green』も同じ雰囲気で、とても上質なフュージョン風な純ジャズが展開されている。特にガッドのドラミングが、Will & Rainbowのリズム&ビートをバッチリ決めている。縦ノリのオフビートなドラミング。『Crystal Green』も 『Over Crystal Green』もガッドらしさ満載である
『Crystal Green』では、テナーはマイケル・ブレッカーの全ての楽曲で担当していたが、この『Over Crystal Green』では、マイケルとボブ・バーグが担当を分け合っている。ただ、ボブ・バーグもマイケルの音に近いブロウで、適当に聴いていたら、どっちがどっちか判らない。それでも、どちらも素敵なテナー、実直で正統派なテナー。聴いていて惚れ惚れする。
ブールウェアのアコピが良い。リリカルで端正な味のあるピアノ。彼のピアノとキーボードが純ジャズな雰囲気を湛えていて、アルバム全体が「フュージョン志向な純ジャズ」な雰囲気に染まる。そして、趣味の良いギターやなあ、と思って聴いていたら、若き日のバーンスタインでした。僕が最近、注目して聴いているギタリスト。こんなところにいました。今回、初めて知りました。
この盤も、日本のジャズ・レーベル「Eighty-Eight's」からのリリースで、プロデューサーはもちろん「伊藤八十八」。こういう「フュージョン志向な純ジャズ」風な盤が日本のジャズ・レーベルからリリースされていることが嬉しい。『Crystal Green』と『Over Crystal Green』、どちらもフュージョン志向な純ジャズ盤として、今での愛聴盤の2枚です。
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