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2018年8月 8日 (水曜日)

この盤も「新しいクールな何か」

従来のジャジーなリズム&ビートからの脱却。新しいクールな響きのモーダルなフレーズ。ジャズではあるが、今までのジャズでは全く無い。ボイスやノイズをもジャズに取り込み、融合する。やっと、ジャズに「新しいクールな何か」が現れ出で始めた。明らかに「ジャズの進化」だと僕は感じている。

Christian Scott『Stretch Music (Introducing Elena Pinderhughes)』(写真左)もそんな「新しいクールな何か」の一枚である。2015年9月のリリース。この盤も明らかに従来のジャズとは全く異なり、スインギーな横乗りの4ビートや、パルシブでファンキーな8ビートの採用は全く無い。従来のジャズの基本要素だった「スインギーなオフ・ビート」は全く見向きもせず、最終的にビートを排除。拡がりと緩やかな抑揚をベースとしたビートが特徴。

この盤の音世界については、他のジャンルの音楽との「融合」がベース。フリー・ジャズから現代音楽の音の要素を取り込みもあつつ、新しい雰囲気のリズム&ビートは、明らかにR&Bからブラコンなど、ブラック・ミュージックのグルーヴ感濃厚。それでいて、ファンクネスは希薄。従来のジャズにあった「粘り」や「黒さ」の要素は見当たらない。スッキリと切れ味の良い、透明度溢れる柔らかなエコーが「拡がりと緩やかな抑揚をベースとしたビート」を増幅する。
 

Stretch_music  

 
とりわけ、クリスチャン・スコットのトランペットの音が素敵である。とても良く鳴り、エッジが丸く、音の芯が「優しい」。それでいて、音の伸びが良くて、ロング・トーンは「スーッ」と伸びる。テクニックは確かで、アドリブ・フレーズの淀みが無い。このトランペットが「新しいクールな何か」なフレーズを印象的に吹き進めていく。

彼の音は「陰鬱で憂鬱が見え隠れする」ダークなテイストが個性とされるが、この盤ではその従来のテイストは明らかに後退している。各曲の音がポジティブで外向的で、アーバンで夜の雰囲気が漂う穏やかなサウンドにどこか仄かな明るさを感じる。エレナ・ピンダーヒューズ(Elena Pinderhughes)のフルートもとても印象的。その他のメンバーについては、僕の知っているメンバーはいない。

それでも、このアルバムを通じて判るのは、この盤のバックバンドって、結構な力量の持ち主ばかりが参加していて、明らかに新しく、高テクニックなバッキングを供給している。そんなバッキングを得て、この盤では、クリスチャン・スコットはとても気持ち良く「新しいクールな何か」を包含した、新しいトランペットのフレーズを聴かせてくれるのだ。

 
 

東日本大震災から7年4ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

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