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2018年8月10日 (金曜日)

フリゼールの野心的なリーダー盤

ビル・フリゼール(Bill Frisell)のギターが好きだ。ビル・フリーゼルは1951年米国生まれのギタリスト。玄人筋では、現代の最高峰のギタリストの一人と評価されているが、こと我が国では全くといっていいほど人気が無い。しかし、この人のギターを聴くと、即興演奏としてのギターって、こういうのを言うんだろう、と強く思う。とにかく、即興性の高いギターが最大の個性である。

といって、この人のギターを「ジャズ・ギター」と定義して良いものか、とも思う。フリゼールのギターは自由度が高く、そのフレーズは適度に捻れ、牧歌的な長閑さが特徴。モード奏法の自由度を徹底的に高くしつつ、浮遊感が強くコードに縛られない柔軟なフレーズを展開する。そして、そのフレーズは、常識的に流麗なものでは全く無く、即興性高く適度に外れる。

僕はフリゼールのエレギを「ギターのモンク」と形容する。ジャズ・ピアノの奇才、セロニアス・モンク。彼のピアノをエレギに置き換えた様な、フリゼールの即興性に溢れ限りなく自由度の高いフレーズを、適度に外れた音で連発する。バックのビートは絶対に4ビートでは無い。フリゼールのエレギに合わせた、無ビートに近い自由度の高いビート。つまり、これが「ジャズ」と呼んで良いのか、とついつい考えてしまう。
 

Bill_frisell_this_land  

 
Bill Frisell『This Land』(写真左)。1992年10月の録音。ちなみにパーソネルは、Bill Frisell (g), Don Byron (cl, b-cl), Billy Drewes (as), Curtis Fowlkes (tb), Kermit Driscoll (el-b, ac-b), Joey Baron (ds)。フロントに、ドン・バイロンのクラリネット、カーティス・フォルクスのトロンボーンが目を引く。

アメリカン・ミュージックの歴史を辿る様な、米国ルーツ・ミュージックのオンパレード。カントリー、フォーク、ジャズ、ブルース、ラグタイムなど、米国ルーツ音楽の要素が要所要所に散りばめられている。エレギ、クラリネット、トロンボーン、アルト・サックスが絡みに絡んだ、ディキシーランド・ジャズの様な、自由度と即興性が限りなく高いアドリブ展開が凄まじい。

これを「ジャズ」と呼ぶか、という議論もあるだろう。しかし、この自由度と即興性の高さ、閃きと反応のアドリブの応酬。そして、様々な米国ルーツ音楽を取り込み融合する。これは広い意味で「ジャズ」だろう。ディキシーランド・ジャズの様な響き即興性はジャズの源を探る様でもあり、意外とこのアルバム、フリゼールにとって、意外と野心的なリーダー作ではないか、と思うのだ。

 
 

東日本大震災から7年5ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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