ブラジリアン・フュージョンです
先週の金曜日、いきなり梅雨が明けてしまった関東地方。翌日から暑い暑い、蒸し暑い。相当な湿度の高さ。暑さだけなら我慢できるが、この湿度の高さは我慢ならない。これだけ暑くなると、熱い演奏、熱い純ジャズは聴くのを憚られる。といって、静的なソロ・ピアノはと言えば、刺激が足らなくて、結局、汗が滲み出てくる。
暑いのは避けられないのであれば、爽快感溢れるフュージョン・ジャズが良い。耳当たりが良く、気持ちが明確になる、ポジティブなフュージョン・ジャズ。そう、空調の効いた涼しい部屋で、真夏日の焼け付くような陽射しを窓の外に見ながら、爽快感溢れるフュージョン・ジャズに耳を傾ける。猛暑の克服法の1つである。
Manfredo Fest『Brazilian Dorian Dream』(写真左)。1976年の作品。マンフレッド・フェストは、1960 年代をサンパウロのボッサ・ジャズ・シーンの中心人物として一時代を築いた後、セルジオ・メンデスの手引きで渡米し、ボッサ・リオを率いて活躍したブラジル出身の盲目のピアニスト。そのマンフレッド・フェストのリーダー作、ブラジリアン・フュージョン・クラシックな好曲「Brazilian Dorian Dream」をタイトルに冠したフュージョン・ジャズな好盤である。
聴くと実に面白い音世界である。シンセを使い、オルガンを使い、ピアノを使い、ブラジルというよりは、ラテン・フレーバーな楽曲がメイン。聴いていると、一瞬、チック・コリアかと思う位、ラテン・フレーバーが横溢している。しかし、繰り出されるフレーズは、チックの様にエッジが立った、アーティスティックなものでは無く、ライトで俗っぽい、ポップなもの。
シンセの使い方も、ちょっと俗っぽい使い方もちらつかせながら、ポップで判り易いフレーズを繰り出していく。アコピはところどころハービー・ハンコックな手癖を聴かせるが、基本はチック。極太シンセはともかく、リードを取るシンセとユニゾンで奏でられる女性スキャット、そしてソフト&メロウなフェンダー・ローズの音は、ちょっともったりとしたRTFの演奏を聴いているようで、とても面白い。
とにかくリラックスして聴けるところが良い。ラテン・フレーバーも耳に持たれることなく、爽快感を振り撒きながら、じっくりとフレーズを聴かせるところは只者では無い、と感じる所以。今ではこの盤は「クロスオーヴァー系DJ 達のマスト・アイテム」となっているらしい。ソフト&メロウなボッサ・ジャズ〜ブラジリアン・フュージョンは真夏の季節にピッタリ。
東日本大震災から7年3ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
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