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2018年7月25日 (水曜日)

猛暑には「端正なハードバップ」

湿度が高いのは相変わらずだが、今日はちょっとだけ涼しくなったようだ。太平洋上の発生した台風の影響なのか、東風が吹き抜けるようになった。ここ千葉県北西部地方は、この季節、東風が吹くと涼しくなる。しかし、グッと涼しくはならない。今年の暑さは「半端ない」ので、恐らく、広範囲に空気が暖まっているようだ。

これだけ湿度が高くて暑い夏になると、ジャズを聴くのも辛くなってくる。いきおいアルバムを選ぶことになるのだが、意外とオーソドックスな、趣味が良く聴き易いハードバップ盤が良い塩梅だということに気がついた。そもそも、涼を呼ぶジャズなんて有るわけが無い。基本的にジャズはリズム&ビートが命なので、どうしても熱気をはらむ様になる。

『Art Farmer Quintet Featuring Gigi Gryce』(写真左)。PRLP 7017番。1955年10月21日の録音。ハードバップ期のど真ん中。ちなみにパーソネルは、Art Farmer (tp), Gigi Gryce (as), Duke Jordan (p), Addison Farmer (b), Philly Joe Jones (ds)。魅力的なパーソネル。クインテット構成である。これがまあ、絵に描いた様なハードバップな演奏で、フロントの2管、アート・ファーマーのトランペット、ジジ・グライスのアルト・サックスのユニゾン&ハーモニーが、ほんと、典型的なハードバップの響きなのだ。
 

Art_farmer_quintet_featuring_gigi_g

 
切れ味良く、音のエッジがちょっと丸まったファーマーのトランペットが実に耳当たりが良い。グライスのアルトは吹き過ぎず、適度にウォームで、これまた実に耳当たりが良い。このフロント2管の音が実に耳に優しく、感性に適度な刺激を与えてくれる。バックのリズム・セクションも良い音を出している。ブルージーな哀愁のピアニスト、デューク・ジョーダンが良い音を出している。

適度にブルージーでアーバンなピアノは、どこか清々しさを感じる。スッキリしたタッチの良い音で、破綻の無いバッキングは聴いていてスッとする。ダイナミックでメリハリの良いドラミングは、フィリージョー。適度に「ビート」という刺激を供給してくれる。鮮度の良いドラミング。そして、ベースのアディソン・ファーマーは、リーダーのトランペッター、アート・ファーマーの双子の兄弟。堅実なベースは演奏の屋台骨を支える。安心感を感じる安定のベースライン。

典型的なハードバップな演奏、しかも、破綻無く端正な展開は、苛つくことの無い、安定の音世界を供給してくれる。端正でメリハリの効いたハードバップな演奏はどこか涼を感じ、一時、今年の猛暑を忘れさせてくれる。やはり、猛暑にはオーソドックスな、趣味が良く聴き易いハードバップ盤が良い。ちなみに、アディソンは、この盤の録音の8年後、1963年2月、SADS(突然不整脈死症候群)にて逝去。享年34歳であった。
 
 
 
★東日本大震災から7年4ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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