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2018年7月17日 (火曜日)

聴き心地良い爽やかなオルガン

夏のオルガン・ジャズは爽やかな耳当たりのものが良い。こってこてファンキーな、レズリー・スピーカー全開のゴワーッというダイナミズムの極致の様なオルガンの音はちょっと夏には堪える。趣味良く、洒落てて、粋なフレーズをシンプルな音で聴かせてくれる。そんなオルガン・ジャズが良い。

最近リリースの新盤を物色していて、おおっこれは、という盤を発見。Larry Goldings Trio『Toy Tunes』(写真左)。今年5月のリリース。ちなみにパーソネルは、Larry Goldings (org), Peter Bernstein (g), Bill Stewart (ds)。ベースのパートはラリー・ゴールディングスがフットペダルでやっている。ベースレス、エレギ入りの典型的なオルガン・トリオである。

実力派オルガン奏者のラリー・ゴールディングス、ギター名手のピーター・バーンスタイン、万能ドラマーのビル・スチュワート。見るからに良い音が出てきそうなオルガン・トリオである。ゴールディングスは、米国ボストン出身のオルガニスト。1968年8月生まれなので、今年50歳。中堅からベテランの域に差し掛かった、脂の乗り切った年齢。余裕を感じる、シンプルで爽やかなオルガンを聴かせてくれる。
 

Toy_tunes

 
ほど良く抑制された、ファンクネス控えめ、趣味良く粋な落ち着いたフレーズが流れる様に次々と出てくる。とっても聴き心地の良い、爽やかなオルガン。流麗でメロディアスな演奏あり、ちょっとアブストラクトにフリーに傾いた演奏もあり、よくよく聴くと、結構バリエーションに富んだ、様々な表情のオルガンを聴かせてくれる。いや〜上手いのなんのって。とっても良い意味で上品なオルガンです。

加えて、ギターのバーンスタインが好調だ。すっきりファンキーな、ちょっとくすんだ音のエレギがとってもブルージー。ゴールディングスのオルガンがファンクネス控えめな分、バーンスタインのエレギでファンクネスを充填している。バーンスタインのエレギも趣味良く粋で落ち着いていて、ゴールディングスのオルガンにピッタリとフィットする。相性の良いエレギである。

そして、演奏全体のリズム&ビートを押さえて、フロントのオルガンとエレギをしっかりと支えるスチュワートのドラミングも見事だ。抑揚と緩急がほど良くコントロールされ、ダイナミックかつ繊細なドラミングで、アルバムの演奏全体をグッと締める。これぞ、正統なオルガン・ジャズ、という雰囲気の音世界が実に心地良い。知らず知らずのうちに「隠れヘビロテ盤」になっていたりする。お勧めの好盤です。

 
 

東日本大震災から7年4ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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