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2018年7月10日 (火曜日)

僕の中では「夏の純ジャズ」

夏は暑いので、純ジャズは聴かない、なんて書いたが、実は、ある種類の純ジャズは聴くのだ。熱いシリアスなファンクネス満載の純ジャズは駄目だ。いわゆるオフビート強烈なビ・バップやハード・バップは暑さが増幅されるので、全くといっていいほど、触手が伸びない。しかし、ファンクネスが少なめの、軽快な純ジャズ、若しくは、切れ味の良い純ジャズはOK。

Michel Legrand『Le Jazz Grand』(写真)。フランスの作曲家、ピアニスト、映画監督、俳優であるミシェル・ルグランの純ジャズ盤である。1978年3月の録音。米国や日本では、ソフト&メロウなフュージョン・ジャズ全盛期。そんな最中に、こんなに切れ味の良い、誠実な純ジャズ盤が、フランス人のピアニストによって、しかもニューヨークで録音されていたなんて、その背景に気がついた時はちょっとビックリした。

冒頭の組曲「Southern Routes」は渾身のジャズ・オーケストラの傑作である。1曲目の「North」では、Jon Faddisのトランペットが、2曲目の「West」では、Phil Woodsのアルトが、3曲目の「East」では、Gerry Mulliganのバリサクが、4曲目の「South」では、全員総出のパフォーマンスがフィーチャーされている。中身は、実に切れ味の良い、ファンクネス希薄な、端正ではあるが、どこかラフさが漂う「フレンチ・ジャズ」の個性満載の純ジャズ。
 

Le_jazz_grand  

 
このアルバム、LP時代のA面の4曲はビックバンド仕様、B面の4曲はスモールバンド仕様。しかし、アンサンブルやユニゾン&ハーモニーに焦点を当てるのでは無く、吹奏楽器がメインのソロ楽器、トランペットとサックスをフューチャーした演奏が主体の「編曲」に焦点を当てたアルバムである。これがとてもユニーク。基本的には演奏全体が理路整然としている。聴いていて苛つくことは無く、スッキリとした味わいは「夏向け」。

そして、アドリブ部でのソロ楽器のパフォーマンスについて、非常に切れ味が良い。切れ味に焦点を絞っているといっても良いほど。いわゆる「攻めのプロデュース」である。このそれぞれの楽器の切れ味が、この盤ではとっても良い。この切れ味の良さは「爽快感」を想起し、増幅してくれる。この高い爽快感はやはり「夏向け」である。

リーダーがフランス人だからなのか、アルバム全体のトーンは欧州的で、そこはかとなくクラシックの香りがする。そこにどこかラフな部分が見え隠れするインプロビゼーションが、聴く耳に過度な緊張を強いられずに良い感じだ。収録されたどの曲も旋律が粋。特に5曲目の「La Pasionaria」が実に小粋で格好良い。フランス人ジャズメン、ルグランの面目躍如。小粋な純ジャズ。なぜか、僕の中では「夏の純ジャズ」。
 
 
 

東日本大震災から7年4ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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