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2018年7月18日 (水曜日)

ピアノ・トリオの代表的名盤・72

このところ、ジャズ・ドラマーのリーダー作を聴き進めている。ジャズのリーダー作は、どれもがバランスが良い。ドラマーがリーダーなので、ドラムが全面的に押し出てきて、圧倒的にドラムが目立つアルバムをイメージするのだが、どうして、基本的にそういうドラマーのリーダー作はほとんど無い(たまにあるけど・笑)。

そんなジャズ・ドラマーがリーダーのアルバムを物色していて、この盤の存在を思い出した。Jeff "Tain" Watts『Megawatts』(写真左)。1991年7月の録音。ちなみにパーソネルは、Charles Fambrough (b), Kenny Kirkland (p), Jeff "Tain" Watts (ds)。1960年1月生まれ、今年58歳のジェフ・ティン・ワッツのピアノ・トリオ盤である。

この盤では、リーダーのジェフ・ワッツの多彩でネオ・ハードバップなドラミングを心ゆくまで楽しめる盤なのだが、もう1つ、大きな「お目当て」がある。ピアノの「ケニー・カークランド」である。1980年代後半、純ジャズ復古のムーブメントの中で、ウィントン・マルサリスをメインとする「ネオ・ハードバップ」を主に演奏する新主流派のピアニストとして活躍したが、惜しくも、1998年、43歳で没した、伝説のピアニストである。
 

Megawatts_1  

 
僕はこのピアニストのタッチとアドリブ展開が大好きで、そもそもリーダー作は1作のみなので、カークランドがサイドメンのアルバムは見つける度にゲットしている。といっても、ウィントン&ブランフォード・マルサリスとの共演と、スティングの諸作への参加が主なアルバムで、本格的に活動したのが、約10年ほどなので、彼の演奏に触れることの出来るアルバムはそう多くない。

カークランドのピアノは、ネオ・ハードバップならぬ「ネオ・ビ・バップ」的な節回しとアドリブ展開を個性とするピアノで、一聴するとハービー・ハンコックのフォロワーかとも思うが、タッチの力強さ、アドリブ展開の幅広さ、モーダルな展開のナチュラルさ、それぞれがカークランドならではの個性として成立している。爽快かつ繊細、純ジャズ復古以降のビル・エヴァンスの様な温故知新なネオ・ビ・バップなジャズ・ピアノ。

オリジナル曲もスタンダード曲も、ジェフ・ワッツのドラムに堅実にサポートされた、カークランドのピアノが聴きもの。ジェフ・ワッツのドラミングは、ネオ・ハードバップに特化した「トニー・ウィリアムス」の様な響きが今の耳にも新しい。兎にも角にも、早逝が惜しまれるピアニストであった。ジェフ・ワッツのネオ・ハードバップなドラミングと同時に、カークランドのネオ・ビ・バップなピアノを愛でることが出来る稀少盤である。好盤です。

 
 

東日本大震災から7年4ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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