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2018年7月 8日 (日曜日)

ジャズ喫茶で流したい・124

ジャズのミュージシャンは息が長い。年齢を重ねる毎に、人生経験や演奏経験がノウハウと共に蓄積していって、演奏に深みや余裕が出てくる。これがまた味わい深くて良い。演奏テクニックというのは、年齢を重ねて行っても、そう大きく衰えることが無いらしく、ジャズの大ベテラン・ミュージシャンはそれぞれ、結構なテクニックを保持しているから凄い。

David Matthews, Eddie Gomez & Steve Gadd『Sir,』(写真左)。今年の6月のリリース。パーソネルを整理すると、David Matthews (p), Eddie Gomez (b), Steve Gadd (ds)。ピアノ・トリオである。ピアノのマシューズは、1942年3月生まれなので、今年76歳。ベースのゴメスは、1944年10月生まれなので、今年74歳。ドラムのガッドは、1945年4月生まれなので、今年73歳。

3人とも既に70歳超えの大ベテランであり、それぞれがジャズの歴史に名を残している、ジャズ・ミュージシャンのレジェンド格の3人である。マシューズは1970年代フュージョン・ジャズ全盛の頃は、アレンジャーとして名を馳せたが、ピアニストとしての腕前も相当なものがある。これまでに幾枚かリーダーとしてトリオ作をリリースしている。
 

Sir

 
マシューズのピアノは独特である。独特の「間」を活かし、左手が大活躍する、とても個性的なピアノである。マンハッタン・ジャズ・クインテットの諸作は大のお気に入りなんだが、マシューズのピアノの個性がとにかく気になって仕方が無い。何時の頃か、雑誌の記事を読んで、マシューズは小児麻痺のため、右手がほとんど使えないことを知った。そんなハンディを克服し、逆に個性として活かした彼のピアノは実に魅力的だ。

アルバムの内容としては、スタンダードなビバップ・ナンバーに加え、マシューズの書き下ろしオリジナル曲も3曲を収録。3者対等のインタープレイを前提とした丁々発止とした演奏ではなく、落ち着いてリラックスした、悠然とした演奏が堪りません。マシューズのピアノの個性を第一とした、ベースとドラムのサポートも見事。というか、しっかりピアノをサポートしつつ、ベースもドラムも至高の技を繰り出しています。

それでも演奏全体の印象は、技巧的というよりも雰囲気重視。一聴するだけだと、えらくシンプルでイージーリスニングの様なピアノ・トリオやなあ、と思ってしまうんですが、繰り返し聴けば聴くほど、味わい深く、聴きどころがどんどん多くなっていく。そんな「スルメ」の様な味わいのピアノ・トリオ盤です。ジャズ者全ての方々にお勧め。

 
 

東日本大震災から7年3ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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