« こんなアルバムあったんや・99 | トップページ | オルガン・フュージョンの好盤 »

2018年6月27日 (水曜日)

明かにクロスオーバー・ジャズ

1970年代後半から80年代前半、クロスオーバー〜フュージョン・ジャズについては「キワモノ」扱いであったが故、情報不足からリリースされた重要作を見過ごし、正しく評価出来なかった時代が続いた。というか、レコード会社が売れそうな盤はリリースするが、そうでもなさそうな盤は無視。それも個人的な感覚で「売れる、売れない」を判断していたのだから困る。

Tom Scott & L.A.Express『Tom Cat』(写真左)。1975年のリリース。ちなみにパーソネルは、Tom Scott (sax), Robben Ford (g), Max Bennett (b), John Guerin (ds), Larry Nash (key)。このグループの存在は知っていたが、このアルバムを手にして、音を聴くことが出来たのは、21世紀に入ってからだ。AmazonとかHMVで外盤がネットで容易に入手出来る様になってからである。

トム・スコットのサックスはスムース・ジャズとして聴いたのが始めて。このL.A.Express名義で、クロスオーバー・ジャズど真ん中の、エモーショナルでハイテンションなサックスを吹いていたなんて知らなかった。このL.A.Expressでのトム・スコットのサックスは凄い。テクニック優秀、エモーショナルではあるが破綻することは無い。活き活きとポジティヴに明るいサックスを吹きまくる。
 

Tom_cat  

 
ベースのマックス・ベネットは、ノリノリのファンキー・ジャズ。こってこてファンキーではあるが、決して下品にはならない。典雅に小粋にファンクネスを振り撒きながら、堅実なベースラインを刻んでいく。そこに、疾走感溢れる、端正でノリの良い、ョン・ゲランのドラムがビートの底を支える。鉄壁のクロスオーバーなリズム・セクション。

ラリー・ナッシュのキーボードがお洒落だ。特にアープ・シンセの使い方が小粋で格好良い。純ジャズでは無い、と言ってロックでも無い。ジャジーなノリではあるが、ロックの様に明朗なシンセのフレーズが今の耳にも新しい。そして、ロベン・フォードのギターが明らかに「クロスオーバー」。ノリの良い、ロックの様であるが、フレーズの底は明らかにジャジー。8ビートではあるが、きめ細かくスインギー。

それぞれの楽器が明らかに「クロスオーバー・ジャズ」していて、ノリはジャジー。後のフュージョン・ジャズとはちょっと違う、明かにクロスオーバー・ジャズな演奏に、何度聴いてワクワクする。疾走感溢れる、明朗ファンキーなクロスオーバー・ジャズは他にありそうで無い。さすが米国西海岸。クロスオーバー・ジャズをしても、明らかに「西海岸」の音が眩しい。

 
 

東日本大震災から7年3ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

« こんなアルバムあったんや・99 | トップページ | オルガン・フュージョンの好盤 »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 明かにクロスオーバー・ジャズ:

« こんなアルバムあったんや・99 | トップページ | オルガン・フュージョンの好盤 »

リンク

  • まだまだロックキッズ(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のロック」盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代ロックの記事を修正加筆して集約していきます。
  • 松和の「青春のかけら達」(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のJポップ」、いわゆるニューミュージック・フォーク盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代Jポップの記事を修正加筆して集約していきます。           
  • AORの風に吹かれて(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    AORとは、Adult-Oriented Rockの略語。一言でいうと「大人向けのロック」。ロックがポップスやジャズ、ファンクなどさまざまな音楽と融合し、大人の鑑賞にも堪えうるクオリティの高いロックがAOR。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、AORの記事を修正加筆して集約していきます。  

カテゴリー