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2018年6月22日 (金曜日)

ドミンゲスのタッチが美しい

最近、ピアノ・トリオの演奏を多く聴いている。リズム&ビートの効いた演奏や、ポジティヴでバイタルなソロ・パフォーマンスを聴き続けていると、ちょっと耳が疲れてくる時がある。そういう時には、全く違うジャンルの音、70年代ロックの演奏に走ったり、ジャズに留まるなら、ソロ・パフォーマンスのアルバムに切り替えたりする。

今回はジャズに留まって、ピアノのソロ盤を選択。Chano Dominguez『Over The Rainbow』(写真左)。2012年2月24日バルセロナでのライヴ及び、コンサート前の演奏を音源化。昨年2月のリリース。スペイン、アンダルシアが生んだ屈指のピアニスト、チャノ・ドミンゲスのソロ作。スパニッシュ風味漂う、堅実タッチの素晴らしいソロ・パフォーマンス。

フラメンコと即興音楽としてのジャズとの融合を試み、一つのスタイルを確立したピアニストであるチャノ・ドミンゲス。一風、チック・コリアの個性に似たところがあるが、チックの個性から前衛性と硬質で鋭角なフレーズを差し引いて、スパニッシュ・ミュージックの持つ哀愁感とマイナーな響きを増幅したドミンゲスのピアノ。
 

Chano_dominguez_over_the_rainbow  

 
ジョン・ルイス作の「Django」から始まる。曲の哀愁感がドミンゲスのタッチとマッチする。セロニアス・モンクの作なる「Evidence」と「Monk’s Dream」については、ドミンゲスのテクニックに優れた面が浮かび上がる。南米の作家の手になる「Gracias a la Vita」と「Los Ejes de mi Carreta」。そして、米国スタンダードの「Over the Rainbow」。選曲にも、十分な配慮が感じられる。

南米のパッションと哀愁感、スタンダード曲の持つメロディの美しさ、モンクの楽曲の最大の特徴であるスクエアなノリと意外性のある即興的展開。収録された、それぞれの曲が持つ異なる個性を活かしつつ、ドミンゲスのピアノの個性で一本、筋を通していく。統一感のある美しい演奏の数々。スパニッシュ風味漂う、堅実タッチの素晴らしいソロ。

落ち着いた堅実なフレーズ、パーカッシヴではあるが耽美的なドミンゲスのタッチが美しい。聴いていて、心が落ち着き、清々しさが感じられる音。リズム&ビートの効いた演奏や、ポジティヴでバイタルなソロ・パフォーマンスを聴き続けた後、耳休めに最適な、珠玉のソロ・パフォーマンス。何度聴いても良い、聴く度に新しい発見があるソロ・ピアノの好盤です。

 
 

東日本大震災から7年3ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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