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2018年6月19日 (火曜日)

キューン、73歳のリーダー作。

ジャズ盤リリースの情報って結構濃淡があるらしく、結構な数のリーダー作をリリースしているが、何故かしばらく御無沙汰だったジャズメンが、素敵なリーダー作をリリースしたのに急に気付いたりする。そのタイミングに出会わないと、知らずに行き過ぎてしまうこともある訳で、やはり小まめなジャズの新盤のチェックは欠かせない。

Joachim Kühn『Love & Peace』。今年リリースのヨアヒム・キューンの最新トリオ作。2017年5月の録音。ちなみにパーソネルは、Joachim Kuhn (p), Chris Jennings (b), Eric Schaefer (ds)。 ヨアヒム・キューンはドイツのピアニスト。どちらかというと前衛、難解なイメージのピアノを弾きつつ、第一線を張ってきた。

しかし、僕にとっては久し振りのキューンのリーダー作である。もともと前衛〜フリーのイメージが強いので、知らず知らずのうちに敬遠していたのかなあ。今回は印象的なジャケットが目について、誰のリーダー作なのかなあ、と思って見てみたら、ヨアヒム・キューンのリーダー作だった次第。しかし、この盤、それまで尖った先鋭的なピアノを聴かせていたキューンが、この盤では、ゆったりめの耽美的な演奏をメインに弾き進めています。
 

Love_peace  

 
先鋭的な耽美かつ流麗なフレーズを繰り出す。昔の若かりし頃のキューンのピアノを知っている身にとっては、思わず面食らう。キューン曰く「新しい作品は短く簡潔な楽曲で、シンプルにメロディックなものにしたかった」。確かに、その通り。ブルージーでカントリー的な雰囲気の曲やスウィンギーでキャッチャーな曲、クラシック風味でありながらジャジーな曲など、若かりし頃のキューンには無い、ゆったりとして耽美的な演奏がメイン。

録音当時73歳のキューン。その年齢がそうさせるのかもしれない。しかし、時折見せる前衛的なフレーズやフリーキーで緩急自在なアドリブ展開は何時ものキューン。これには思わず「ニッコリ」。やはりキューンはキューンですね。前衛、難解なイメージのピアノも素敵です。長く聴き続けると疲れるけど(笑)。

やっぱりキューンは只者では無い。結構な枚数のリーダー作があるので、一度、通して聴き直す必要があるなあ、と感じました。ドイツの前衛、難解なイメージのピアニストなので、我が国ではちょっと「キワモノ」扱いされてきたみたいですが、どうして、それは意外と偏った見方なのでは、と思います。いや〜良いアルバムを聴かせてもらいました。

 
 

東日本大震災から7年3ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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