« ジャズは深化し多様化している | トップページ | 「ウィスパー・ノット」の名演 »

2018年5月28日 (月曜日)

途方も無いトランペッターがいた

リー・モーガンのトランペットは我が国では、地味な存在に甘んじているように思う。どうも、トランペットと言えば「マイルス・デイヴィス」で決まり、という風潮があり、譲って、クリフォード・ブラウン。どうも、トランペットって、日本人ジャズ者の方々って、サックスと比べて、あまり好きなんじゃないかしら、とも思える、裾野の狭さである。

Lee Morgan『Lee Morgan Indeed!』(写真左)。1956年11月4日の録音。BNの1538番。ちなみにパーソネルは、Lee Morgan (tp), Horace Silver (p), Clarence Sharpe (as), Wilbur Ware (b), Philly Joe Jones (ds)。鯔背で小粋でファンキーなモーガンのトランペットを支えるべく集められた、ベテラン・ジャズメンの面々。天才モーガン、弱冠18歳の初リーダー作。

テクニック的にもほぼ完成されていて、後は熟成からくる余裕だけか。素晴らしいトランペット。どう聴いても、18歳の「ガキ」のプレイではない。テクニック的には全く申し分無い。また、それを前面にひけらかす「若さ」も無い。とにかく吹きまくる。ビ・バップなトランペットを基本としつつ、当時、最先端のハードバップ風のロングソロをいとも問題なさげに吹ききっていく。
 

Indeed  

 
とにかく、当時のトラペッターのリーダー作としては、マイルス・デイヴィスを除いてであるが、出色の出来である。天性のテクニックの素晴らしさ、これに尽きる。この素晴らしいテクニックを駆使して、それをひけらかすことなく、テクニックを良い方向に駆使して、硬軟自在、緩急自在、自由自在、縦横無尽に、様々な表現を聴かせてくれる。なんと老成したプレイであることか。

クリフォード・ブラウンのトランペットは、堅実であり優等生であり模範であった。そういう面では、モーガンのトランペットは、鯔背であり、小粋であり、ちょっと不良っぽかった。ソロのブロウの最後の音を「キュウッ」と捻りを入れるところなんぞ、鯔背の最たるところ。どっぷりファンキーなフレーズをバリバリ鯔背に吹くところなんざあ、ちょっと不良っぽくて格好良い。

1956年の録音。演奏の雰囲気としては、まだ「ビ・バップ」の延長線上にあるアドリブ・ソロではあるが、やはり、モーガンのトランペットが突出している。音が多すぎるという指摘もあるが、若さ故、それは仕方の無いことだろう。しかし、モーガンは品が良い。この途方も無いテクニックをひけらかしにかかってはこない。僕はモーガンの「ここ」に惚れる。
 
 
 

東日本大震災から7年2ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

« ジャズは深化し多様化している | トップページ | 「ウィスパー・ノット」の名演 »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 途方も無いトランペッターがいた:

« ジャズは深化し多様化している | トップページ | 「ウィスパー・ノット」の名演 »

リンク

  • まだまだロックキッズ(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のロック」盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、 ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で、不定期に掲載した、70年代ロックの記事を修正加筆して集約していきます。
  • 青春のかけら達(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のJポップ」、いわゆるニューミュージック・フォーク盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでのジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で、不定期に掲載した、70年代ロックの記事を修正加筆して集約していきます。         
2019年11月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

カテゴリー