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2018年5月11日 (金曜日)

テナー・マンが音の鍵を握る

1970年代のキース・ジャレットの活動を振り返ってみると、とても面白い。代表的なのは、アメリカン・カルテットとヨーロピアン・カルテットの平行活動。なんで、こんな平行活動をしたのか、本人に訊いてみないと判らないのだが、正反対の演奏アプローチをしていて、比較して聴くと本当に面白い。

このアルバムは、音的には「ヨーロピアン・カルテット」。しかし、パーソネルを見ると面白いのは、ベーシストがアメリカン・カルテットと同じということ。それで、これだけ「ヨーロピアン・カルテット」な音が出るということは、カルテットの音の個性の鍵を握っているのは「テナー・マン」の個性ということになる。

そのアルバムとは、Keith Jarrett『Arbour Zena』(写真左)。邦題『ブルー・モーメント』(写真右)。全曲キース・ジャレットのオリジナル。オーケストラとの共演。ちなみにパーソネルは、Keith Jarrett (p), Jan Garbarek (ts, ss), Charlie Haden (b) に、Stuttgart Radio Symphony Orchestraがバックに着く。
 

Arbour_zena  

 
聴けば聴くほど「ヨーロピアン・カルテット」なんだけど、ベースの粘りが「ヨーロピアン・カルテット」と違う。もともと「ヨーロピアン・カルテット」のベーシストは、パレ・ダニエルソン(Palle Danielsson)。この「ブルー・モーメント」のベーシストは、チャーリー・ヘイデン。もともとは「アメリカン・カルテット」のベーシストである。

面白いのは、キースもヘイデンも意識して奏法や音を変えている訳では無いこと。意外とアメリカン・カルテットでもヨーロピアン・カルテットでも同じ音を出している。それでいて、どうして「アメリカン・カルテット」と「ヨーロピアン・カルテット」とで正反対の、対照的な音が出るのか。鍵を握っているのは「テナー・マン」。「ヨーロピアン・カルテット」では、ヤン・ガルバレクである。

素直でエモーショナルな、音的には明らかに欧州的でクール、ファンクネス皆無の流麗かつ透明度の高いガルバレクのテナーが、キースの「ヨーロピアン・カルテット」の音作りの鍵を握っているのだ。ちなみに「アメリカン・カルテット」はデューイ・レッドマン。テナー・マンの音の個性がバンド全体の音の個性を決定付ける。この『ブルー・モーメント』は見事なまでの好例である。

 
 

東日本大震災から7年2ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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