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2018年5月21日 (月曜日)

レトロで新しいビッグバンドです

最近の新作をいろいろ聴いていたら、ビッグバンドの好盤が結構目に付くことに気がついた。ビッグバンドって編成が大人数が故に、運営〜維持するのが大変で、とりわけ、恒常的に運営〜維持されるビッグバンドは数少ない。一時的に編成されるビッグバンドも、優れたメンバーを一気に集めるのは大変で、つまりは、ビッグバンドって結構、希少価値なのだ。

そんなビッグバンドの好盤が、この1〜2年、結構リリースされているのは素晴らしいことだ。ジャズを感じるのに、ビッグバンドの演奏は実に良い。ビッグバンドの演奏には、ジャズの良いところがてんこ盛り。大人数でジャズをやるのだから、統制が取れていて、ユニゾン&ハーモニーがしっかりしている。つまりは、とっても聴き易くて判り易いジャズ、というのがビッグバンド・ジャズの最大の特徴。

The Ken Peplowski Big Band『Sunrise』(写真左)。今年3月のリリース。ケン・ペプロフスキーは、1959年オハイオ州クリーヴランドの生まれで、今年59歳。現在では、スイング系のクラリネット&テナー・サックスのベテランである。この『Sunrise』は、ペプロフスキーが主宰したビッグバンドの好盤である。 いや〜、絵に描いた様な、教科書に出てくる様なビッグバンドの音である。
 

Sunrise

 
いや、今までのビッグバンドとはちょっと違う、レトロではあるが、新しい、現代の音がするビッグバンド。ダイナミックでゴージャスな、ある時はちょっとレトロっぽい「スイング・ジャズ」色が漂う、素敵なビッグバンドである。パンチの利いた、色彩溢れる、かつ重厚感溢れるホーン・アンサンブル。そして、音が豊かで太い。端正で素敵な響き、躍動感溢れるユニゾン&ハーモニー。とにかく音が良い。

ペプロフスキーのクラリネットが効いている。ペプロフスキーは、この盤ではクラリネットに専念している。このクラリネットの音色が旋律が、レトロな雰囲気を増幅している。しかし、録音が良い、音が良い。レトロな音とは言いながら、音の雰囲気は現代のジャズの音。現代のジャズの音がレトロな雰囲気を醸し出しているのだ。

ファンキーなテナー、バピッシュなトランペット、アーシーなトロンボーン、スクエアーなピアノ、そして、レトロで躍動感溢れるクラリネット。レトロなな雰囲気なのだが、音は現代のジャズ。アレンジや曲の構成も秀逸、それぞれのソロイストの技倆も優秀。聴いていて、思わず惹き込まれる。不思議なビッグバンド・ジャズである。

 
 

東日本大震災から7年2ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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