独特のうねるようなビート。
ボブ・ジェームスも良いが、ファンクネスたっぷりなフュージョン・ジャズを追求するなら、クルセイダーズ(The Crusaders)は絶対に外せない。クルセイダーズは、Wayne Henderson (tb), Wilton Felder (ts), Joe Sample (p), Stix Hooper (ds) の4人が結成したグループである。
もともと、彼らはジャズ・クルセイダーズとして10年間活動していた。しかし、1971年、グループ名を「クルセイダーズ」に変更。理由は「ジャズの冠がついているとラジオのDJがレコードを敬遠するきらいがあるから」。なるほど。で、クルセイダーズと改名してから、音世界が変わったのか、として聴いてみる。
そこでこの盤を聴く。『Crusaders 1』(写真)。1972年のリリース。改名して1年後、タイトルからして、新生「クルセイダーズ」の第1弾の様に見えるが、実は本作は名義変更後の第2弾のアルバム。リリース当時、LP2枚組の大作。本作は商業的に成功したようで、苦節12年の快挙。継続は力なり、ですね。
しかし、1972年という時代のリリースである。基本はソウル・ミュージックとジャズのクロスオーバーではあるが、例えば、冒頭の「That's How I Feel」のへヴィーなベースとワウ・ギターなど、サイケデリック・ジャズの面影やスピリチュアル・ジャズの影響が聴かれる。ところどころ、この辺が、ちょっと「垢抜けない感じ」がする所以。
ジョー・サンプルのキーボードとこの盤ではまだ客演しているラリー・カールトンのギターは明らかに、従来のジャズからクロスオーバーへステップアップして、新しい音世界に入っていく。逆に、ウィントン・フェルダーのテナーとウェイン・ヘンダーソンのトロンボーンはまだ「新主流派」のフレーズを継承し、従来の音世界に留まっている。決して悪く無い、この2面性がこの頃のクルセイダーズの面白いところ。
しかし、クルセイダーズ独特のうねるようなビートはもうこの盤にしっかりとある。しばらく聴いていると、確実にクルセイダーズの演奏と判るほどの「うねるビート」。これが「クルセイダーズ者」には堪らない。このジャズには無い「うねるビート」はファンクネス満点で、とても心地良い。これがクルセイダーズの真骨頂。
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