エバンス=ゴメスのライブ好盤
ピアノ・トリオ3者対等なインタープレイを可能にした、最初のピアノ・トリオが「ビル・エバンス・トリオ」。「ビート」は絶対、次に「旋律」が絶対、加えてリズムも十分供給出来る、という力量を持つベーシストが存在すること。これが、エバンス・トリオで「ピアノ・トリオ3者対等なインタープレイ」を可能にするキーワードの1つ。
初代のベーシストは「スコット・ラファロ」。しかし、1961年7月6日、ニューヨーク州ジェニヴァ近郊のフリントで交通事故にて死去。その後、チャック・イスラエルが担当するが、「ピアノ・トリオ3者対等なインタープレイ」を完璧に展開するには至らなかった。しかし、1966年から、エディ・ゴメスがベースを担当することになり、この「ピアノ・トリオ3者対等なインタープレイ」を可能にするキーワードの1つ、を充足する。
エディ・ゴメスというベーシストを得ることにより、ビル・エバンス・トリオは、再び「ピアノ・トリオ3者対等なインタープレイ」を完璧に展開することが可能になった。どころか、ゴメスの骨太で強靱な、それでいて多弁で流麗なベースによって、スコット・ラファロ時代よりも充実かつ高度なインタープレイを実現した。
そして、そんなゴメスのベースは、ドラムの役割をも肩代わりすることが出来、エバンスとの充実のデュオをも可能にした。そんなエバンスとの充実のデュオの記録が、Bill Evans『Montreux III』(写真左)。1975年7月20日、モントルー・ジャズ・フェスでのライブ録音。改めてパーソネルは、Bill Evans (ac-p, el-p), Eddie Gomez (b)。エバンスとゴメスのデュオ。
ゴメスのベースが実に多弁。ドラムがいなくても、ビートの空間を埋める必要が無いくらいで、ゴメスのベース・ラインが独特のグルーヴを生んでいる。そんなゴメスの生み出すビートとグルーヴをバックに、とても気持ちよさそうに、エバンスはアコピとエレピを弾きまくっている。もともとエバンスは、特にライブで「バッパーなピアノ」を弾くのだが、エバンスが音符を沢山重ねても、ゴメスのベースは、そんなエバンスのピアノにピッタリと追従し、台頭に渡り合う。
ピアノとベースとのディオの濃密なインタープレイが見事である。二人のコール&レスポンスもバッチリ合って、ピアノ+ベースのデュオとしては優れた内容のライブ盤である。独特のグルーヴを生み出すゴメスのベース・ラインがどの曲にも効いていて、このライブ音源でのスイング感は半端ない。ジャズのデュオ好盤の一枚。
東日本大震災から7年。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
« エバンスの最適なベーシスト | トップページ | ネオ・ハードバップの良い一例 »
コメント