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2018年4月17日 (火曜日)

コッテコテの「ソフト&メロウ」

フュージョン・ジャズのミュージシャンの中で、一番長く聴き続けているのは誰だろう、とふと思った。そもそも、当時まだ、フュージョン・ジャズというジャンル言葉が無くて、クロスオーバー・ジャズと呼ばれていた頃、FMで流れていたこの人の曲を聴いて、これは、と思って以来、ずっと聴き続けている。

時は1974年、FMで流れていたアルバムは『Bob James One』。ボブ・ジェームスである。フュージョン・ジャズの巨匠、そして「顔」である。そう、ボブ・ジェームスこそが、フュージョン・ジャズの中で、僕が一番長く聴き続けているミュージシャンである。で、ボブ・ジェームスの聴き直しを再開した。

Bob James『The Genie: Themes & Variations From the TV Series Taxi』(写真左)。邦題は『N.Y.メロウ』。1983年2月のリリース。このアルバム、タイトルから、人気TVドラマ「タクシー」のサウンド・トラック盤、と捉えがちだが、ラストの「アンジェラ」が「タクシー」のテーマ曲なだけで、それ以外の曲は全て、番組からインスパイアされたという、書き下ろしの新曲ばかりなのだから凄い。
 

The_genie

 
冒頭の「Brooklyn Heights Boogie」から、ボブ・ジェームスの個性満載である。ボブ・ジェームスのファン、いわゆる「ボブ・ジェームス者」からすると、曲の節回し、ブラスの使い方、アレンジの音の重ね方、どれもが「ボブ・ジェームス」で、とにかく、徐々に口元が緩んでくる。加えて、この盤の演奏は圧倒的に「ソフト&メロウ」。そういう面で、この盤は「フュージョン・ジャズ」のサンプル盤として捉えても良い内容である。

参加ミュージシャンも凄い面々。フュージョン・ジャズを代表するジャズメンばかり。一例を挙げると、Eric Gale, Steve Khan (g), Ralph MacDonald (perc), Peter Erskine, Steve Gadd (ds), Randy Brecker (tp),  Michael Brecker, Tom Scott (sax) 等々。ここに、スタジオ・ミュージシャンの優れものが多数加わるという感じのパーソネル。出てくる音は「超一流」。

この盤のボブ・ジェームスについては「ソフト&メロウ」度が最高。ちょっと甘めのフュージョン・ジャズで、一般のフュージョン者の方々には、ちょっと耳に持たれるかもしれません。でも、このコッテコテ「ソフト&メロウ」なのが、フュージョン・ジャズの真骨頂なので、これはこれで「アリ」かと。最後に、唯一、残念なのがこのアルバム・ジャケットのデザイン。もうちょっとなんとかならなかったんですかねえ(笑)。

 
 

東日本大震災から7年。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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