1990年代フュージョンの好盤
もともと、ここバーチャル音楽喫茶『松和』では、フュージョン・ジャズも得意ジャンルとしている。フュージョン・ジャズが流行った時期は、1970年代後半から1980年代前半。僕は、ちょうど大学生、リアルタイムで、このフュージョン・ジャズの流行をリアルタイムで体験してきた。行きつけの喫茶店で、毎日のように流させてもらったなあ。
1980年代半ばの「純ジャズ復古」のムーブメントに押されて、一気に衰退したが、どうして、フュージョン・ジャズはしっかりと生き残っている。聴き心地を追求したものは「スムース・ジャズ」と呼ばれるが、バカテクを駆使しつつ、米国ルーツ・ミュージックを融合したエレクトリック・ジャズは、今でも「フュージョン・ジャズ」と呼びたい。
例えば、この盤を聴くと、フュージョン・ジャズって、しっかりと生き残っているんやなあ、と強く感じる。その盤とは、Brian Culbertson『Secrets』(写真左)。1997年のリリース。ちなみに参加ミュージシャンは、主だったところでは、Ricky Peterson (key), Gerald Albright (sax), Dwight Sills (g), Paul Brown; Jeff Golub (g), Paul Jackson, Jr. (g) 等々。
参加メンバーを見渡すと、スムース・ジャズをメインとするよりは、フュージョン・ジャズを得意とする面々。その面々を統率する理リーダーのBrian Culbertson(ブライアン・カルバートソン)は、米国出身のジャズ・ピアニスト&作曲家・編曲家。スムース・ジャズにも手を染めるが、この盤は明らかにフュージョン・ジャズの音が詰まっている。もともと、カルバートソンのプレイは、リリカルにて流麗、そこに融合するファンクネス。
基本は、ファンク・フュージョン。しかし、ディスコ・ミュージックの様なメリハリの効いたファンクネスでは無い。流れる様な、爽快感溢れるファンクネス。テクニックは優秀。しかも、この盤の特徴は、リズムに関して「打ち込みと生の収録」が混在して、独特のグルーブ感を生み出しているところ。この独特のグルーブ感がこの盤の特徴であり、1990年代のフュージョン・ジャズやなあ、と強く感じさせてくれるところ。
そんな独特のグルーブ感に乗って、名うてのフュージョン系ミュージシャンが流麗でバイタルなフレーズを噛ましまくる。最初は「打ち込みかあ」と思って、盤を変えよかな、と思うんだが、聴き進めて行くとグイグイ惹き込まれて、ついつい最後まで聴いてしまう。フュージョン・ジャズの良いところがギッシリ詰まった好盤である。
東日本大震災から7年。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
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