リトナーにフュージョンが良い
1970年代半ば辺りから流行始めた「フュージョン・ジャズ」。1970年代後半から1980年前半にかけて大流行。1980年代後半、純ジャズ復古のムーブメントに呼応する様に、一気に衰退、というか、スムース・ジャズという、電気楽器の音の特性を活かして、ムーディーな要素を強調したものに変化していった。
しかし、21世紀になった今でも「フュージョン・ジャズ」の音の雰囲気をしっかり残したジャズメンやグループが幾つか存在していて、さすがに生き残りである、かなりレベルの高いフュージョン・ジャズなアルバムをコンスタントにリリースし続けているのだ。そんなジャズメンの一人が「リー・リトナー(Lee Ritenour)」。フュージョン・ジャズ創始の頃から、ギタリストとして第一線で活躍し続けている、フュージョン界のレジェンドである。
Lee Ritenour『Smoke 'n' Mirrors』(写真左)。2006年のリリース。ネットを徘徊していて、このアルバムに出会った。そう言えば、2000年以降のリー・リトナーって、あまり熱心に聴いたことが無いなあ、と反省しつつ、このアルバムに耳を傾ける。冒頭のタイトル曲から、演奏全体の雰囲気は「フュージョン・ジャズ」。
このアルバム全体から感じる印象は「収録された曲がどれも良い」ということ。フュージョン・ジャズの良し悪しを決める大事な要素が、収録された曲の出来。電気楽器が中心の演奏なだけに「流麗で滑らか」という特性があって、演奏曲の中にキャッチャーで聴き応えのあるフレーズを持っていないと、印象に引っ掛かるものが無くて、聴いていると飽きる。
しかし、このリトナーのアルバムについては、収録曲それぞれの出来がとても良くて、聴いていて飽きることは無い。加えて、リズム・セクションの出来がとても良い。パーソネルを見ると、ドラムに「ビニー・カリウタ(Vinnie Colaiuta)」がメインに座り、「アレックス・アクーナ(Alex Acuna)」がコンガを担当している。他のドラマーも含め、リズム系が充実している。
フュージョン全盛時代にジャズを聴き始めた、フュージョン・ジャズに限りない愛着のある自分にとっては、こういう内容充実のフュージョン盤に出会うと、なんだか気持ちがウキウキします。いや〜、この盤にはフュージョン・ジャズ純正の音が詰まっています。前年にフュージョン原点回帰したリトナー。やっぱりリトナーにはフュージョン・ジャズが似合いますね。
東日本大震災から7年。決して忘れない。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
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仰せのとおり、フュージョンは楽曲が命!どうせ演奏はウマイんだから。
草創期に聴きまくったのが『Captain Fjngers』で、初めて買ったCDが『アースラン』。
GRPオールスターズのライヴも体験したりと縁深いのに長年ご無沙汰でした。
マスターの記事を読んで今作品の購入を決意しました。
ご紹介ありがとうございました!!
投稿: せめだいん | 2018年3月11日 (日曜日) 08時24分