後のスムース・ジャズの先駆盤
「まつ農業」の為、ここ千葉県北西部地方を離れていました。基本的に農業中心の生活の為、音楽とは一切触れあうこと無し。よって、22、23日のブログをお休みしました。先ほど帰還、ブログを再開です。昨日辺りからいきなり暖かくなって、体がついていきません。でも、これだけ暖かくなったら、音楽を聴く気持ちもウキウキです。
僕の場合、音楽を聴く気持ちがウキウキしている時は、フュージョン・ジャズが定番。フュージョン・ジャズって、1970年代後半〜1980年代前半に一世を風靡した「フュージョン・ジャズ」。約10年間ほどブームが続いた訳ですから、意外と奥が深い。こんな盤もあったなあ、とか、こんな盤あったんや、なんて今更、ビックリするやら感心するやら。
John Klemmer『Magnificent Madness』(写真左)。1980年のリリース。ジョン・クレマーは、米国イリノイ州シカゴ生まれ。1946年の生まれなので、今年で72歳。この『Magnificent Madness』をリリースした頃は、34歳のまだまだ若手バリバリのサックス奏者であった。もともと、若かりし頃はニュージャズ系の太く豪快なテナーを吹くタイプ。しかし、フュージョン・ジャズ全盛期には、時代の波に乗って、ソフト&メロウな、後の「スムース・ジャズ」な雰囲気の好盤を幾枚かリリースしている。
この『Magnificent Madness』は、スタジオ・ミュージシャン達を中心とした、秀逸なテクニックを前面に押しだした、いわゆる「バカテク・フュージョン」とは一線を画する。それは冒頭のタイトル曲の雰囲気を聴けば良く判る。ゴスペル・シンガー、ビル・セットフォードをゲストに展開する、ソフト&メロウで心地良いミッドテンポの演奏は、それまでのフュージョン・ジャズには無い雰囲気。
このソフト&メロウで心地良い雰囲気の演奏は、3曲目の「Don't Take Your Love Away」にも顕著で、フュージョンというよりは、後の「スムース・ジャズ」の雰囲気を先取りしている印象。逆にラストの「Adventures In Paradise」は、ミニー・リパートンの名曲のカヴァーなんですが、ファンキー&グルーヴィンなアレンジがライトなブラコン風に響いて、その音世界は明らかに1980年代のジャズの主要なトレンドのひとつを彷彿とさせるものです。
そんな雰囲気の中、主役のジョン・クレマーのテナーな骨太で力強く豪快なもの。この硬派なクレマーのテナーと、演奏全体を覆う、後の「スムース・ジャズ」的な、ソフト&メロウで心地良い雰囲気とのコントラストがとても印象的で、この盤をユニークな存在にさせています。フュージョン・ジャズとしてより、後の「スムース・ジャズ」の先駆として捉えた方がスッキリ腹落ちすると思います。好盤です。
東日本大震災から7年。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
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