シルヴァーのファンキーな好盤
今週は「ジャズ・レジェンド」の週間。熟々とジャズ・レジェンドの名前を見ていて、この人のリーダー作、そう言えば最近、聴いて無かったなあ、と思い立った。ホレス・シルヴァー(Horace Silver)である。ファンキー・ジャズの職人。2014年、85歳で鬼籍に入るまで、ずっとファンキー・ジャズ一直線。
ということで、ホレス・シルヴァーのリーダー作を聴き直し始める。まずは、Horace Silver『Blowin' the Blues Away』(写真左)。1959年8月29〜30日と9月13日の録音。ブルーノートの4017番。ちなみにパーソネルは、Horace Silver (p), Blue Mitchell (tp), Junior Cook (ts), Gene Taylor (b), Louis Hayes (ds)。ブルー・ミッチェルのトランペット、ジュニア・クックのテナーの最強の2管フロント。
冒頭のタイトル曲から、こってこてのファンキー・ジャズ。ミッチェルのトランペットとクックのテナーのユニゾン&ハーモニーがむっちゃ雰囲気である。シルヴァーのピアノはバッキングしている時からファンキーそのもの。ソロに入れば完璧にファンキー。明確なタッチにファンクネス色濃く漂うアドリブ・フレーズ。ミスター・ファンキーなアコピである。
あまり話題にならないが、ベースのジーン・テイラー、ドラムのルイス・ヘイズのリズム隊もむっちゃファンキーなリズム&ビートを叩きだしている。クインテットが一丸となって、ファンキー・ジャズを演奏しまくっている。オリジナル盤の収録曲は全て、シルヴァーの作。アレンジも優秀で、シルヴァーの総合力が最大限に発揮されている。
そして、極めつけは、LP時代のB面の1曲目、CDでは5曲目の「Sister Sadie(シスター・セイディ)」。これ、ファンキー・ジャズの屈指の名曲。もう前奏の「コール・アンド・レスポンス」風のユニゾン・ハーモニーを聴くだけで、ファンクネスだだ漏れ。ファンキーで楽しい、気持ちが躍動する。確かに、聴いていると自然と体が動き、遂には踊り出している。
そして、ジャケットがまた素晴らしい。このシルヴァーのアコピを弾く後ろ姿の線画がむっちゃ格好良い。右肩にあしらわれたタイプグラフィーがこれまた格好良い。ブルーノートのジャケットは優れたものが多いが、この『Blowin' the Blues Away』のジャケットは飛び切り格好良い。曲良し、アレンジ良し、演奏良し、ジャケット良し。ファンキー・ジャズの屈指の名盤である。
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