« 「ベルリン三部作」を聴き通す | トップページ | 最もブルーノートらしい盤 »

2018年2月 5日 (月曜日)

シルヴァーのファンキーな好盤

今週は「ジャズ・レジェンド」の週間。熟々とジャズ・レジェンドの名前を見ていて、この人のリーダー作、そう言えば最近、聴いて無かったなあ、と思い立った。ホレス・シルヴァー(Horace Silver)である。ファンキー・ジャズの職人。2014年、85歳で鬼籍に入るまで、ずっとファンキー・ジャズ一直線。

ということで、ホレス・シルヴァーのリーダー作を聴き直し始める。まずは、Horace Silver『Blowin' the Blues Away』(写真左)。1959年8月29〜30日と9月13日の録音。ブルーノートの4017番。ちなみにパーソネルは、Horace Silver (p), Blue Mitchell (tp), Junior Cook (ts), Gene Taylor (b), Louis Hayes (ds)。ブルー・ミッチェルのトランペット、ジュニア・クックのテナーの最強の2管フロント。

冒頭のタイトル曲から、こってこてのファンキー・ジャズ。ミッチェルのトランペットとクックのテナーのユニゾン&ハーモニーがむっちゃ雰囲気である。シルヴァーのピアノはバッキングしている時からファンキーそのもの。ソロに入れば完璧にファンキー。明確なタッチにファンクネス色濃く漂うアドリブ・フレーズ。ミスター・ファンキーなアコピである。
 
 
Blowin_the_blues_away
 
 
あまり話題にならないが、ベースのジーン・テイラー、ドラムのルイス・ヘイズのリズム隊もむっちゃファンキーなリズム&ビートを叩きだしている。クインテットが一丸となって、ファンキー・ジャズを演奏しまくっている。オリジナル盤の収録曲は全て、シルヴァーの作。アレンジも優秀で、シルヴァーの総合力が最大限に発揮されている。

そして、極めつけは、LP時代のB面の1曲目、CDでは5曲目の「Sister Sadie(シスター・セイディ)」。これ、ファンキー・ジャズの屈指の名曲。もう前奏の「コール・アンド・レスポンス」風のユニゾン・ハーモニーを聴くだけで、ファンクネスだだ漏れ。ファンキーで楽しい、気持ちが躍動する。確かに、聴いていると自然と体が動き、遂には踊り出している。

そして、ジャケットがまた素晴らしい。このシルヴァーのアコピを弾く後ろ姿の線画がむっちゃ格好良い。右肩にあしらわれたタイプグラフィーがこれまた格好良い。ブルーノートのジャケットは優れたものが多いが、この『Blowin' the Blues Away』のジャケットは飛び切り格好良い。曲良し、アレンジ良し、演奏良し、ジャケット良し。ファンキー・ジャズの屈指の名盤である。
 
 
 
東日本大震災から6年10ヶ月。決して忘れない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

« 「ベルリン三部作」を聴き通す | トップページ | 最もブルーノートらしい盤 »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: シルヴァーのファンキーな好盤:

« 「ベルリン三部作」を聴き通す | トップページ | 最もブルーノートらしい盤 »

リンク

  • まだまだロックキッズ(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のロック」盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代ロックの記事を修正加筆して集約していきます。
  • 松和の「青春のかけら達」(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のJポップ」、いわゆるニューミュージック・フォーク盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代Jポップの記事を修正加筆して集約していきます。           
  • AORの風に吹かれて(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    AORとは、Adult-Oriented Rockの略語。一言でいうと「大人向けのロック」。ロックがポップスやジャズ、ファンクなどさまざまな音楽と融合し、大人の鑑賞にも堪えうるクオリティの高いロックがAOR。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、AORの記事を修正加筆して集約していきます。  

カテゴリー