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2018年1月 8日 (月曜日)

チックとボラーニのデュオ演奏

チック・コリアはデュオが得意。何故かは判らないけど、チックはデュオが得意。といって、誰彼も、という訳では無い。有名どころでは「ゲイリー・バートン」とのデュオは素晴らしい。最近、このブログでご紹介した「小曽根 真」とのデュオも絶品だ。そうそう、異種格闘技だけど、バンジョーのベラ・フレックとのデュオも良かった。

デュオ演奏なので、基本的に相手をしっかり選ぶ、というか、相性が大切ってことなんだろうが、今回、更にチックとの相性が良いデュオ相手が出現した。Stefano Bollani(ステファノ・ボラーニ)である。現在のイタリアを代表するジャズ・ピアニストの一人。ジャズ、ラテン、クラシックと幅広いジャンルを弾きこなすところは、チックと同じ。ちょっと個性が同じ過ぎるのでは、という懸念がが心をよぎる。

Chick Corea & Stefano Bollani『Orvieto』(写真左)。2010年12月の録音。2011年のリリース。いまから6年ほどの前のリリース。チックが25年以上の時を経てECMに吹き込み。ジャズ、ラテン、クラシックと幅広いジャンルを弾きこなす、イタリアの俊英ピアニスト、ステファノ・ボラーニとのデュオ盤である。
 

Chick_corea_stefano_bollani_orvieto

 
リリース当時は、あまり興味が湧かなかった。ピアノの同士のデュオは、お互いがお互いを慮って、なかなか丁々発止とした展開にはならない。特に同じタイプの場合、フレーズがぶつかる可能性が高い。チックとボラーニも同じ事が言えるのでは、と思い、実は、ほとんど聴かずにお蔵入りになった。しかし、今回、ふとこのデュオ盤のことを思い出し、聴き込んで「これは素晴らしい」と感じ入った次第。

「4本の手を持つ人間の一部になったような気分だ」とボラーニが語ったとか。同じタイプのピアニストが故に、しっかりと役割分担を確認し、それをしっかり守ったら、これほどまでに大胆で細心な、一人の人間が4本の手で弾きまくる様な、意思統一された展開が実現されるんやなあ、と、とにかく感心することしきり。

さすがECMレーベルからのリリース。ECMらしさが満載。音の響き、クラシックに影響を受けた、欧州的でメロディアスな展開。しかしながら、現代音楽風の聴き難さは全く無くて、そういう面ではECMとしては珍しい盤かもしれない。即興色が濃いので、ジャズ者初心者の方々にはちょっと辛いかも。ジャズ者中級者以上向けかな。

 
 

東日本大震災から6年9ヶ月。決して忘れない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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