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2018年1月23日 (火曜日)

スターンの5年振りの新作です

この季節のジャズの楽しみのひとつ。雑誌「ジャズライフ」のディスク・グランプリ、「ジャズ・アルバム・オブ・ザ・イヤー」をぼ〜っと眺めていて、マイク・スターン(Mike Stern)が新作をリリースしているのに気がついた。おぉ、完全に見落としていたぞ。マイク・スターンって、意外と聴くんですよね、私。その新作とは、Mike Stern『Trip』(写真左)。

前作はエリック・ジョンソンとの2人名義で、2014年にリリースされた『Eclectic』だが、スターン単独の名義では『All Over The Place』以来5年ぶりの新盤になる。相変わらずの「スターン節」が聴ける好盤である。しかし、アルバムの後半に進むにつれて、新境地を開拓していることに気がつく。冒頭のタイトル曲「Trip」から暫くは、これまでの「スターン節」。スターンって、本当にマイルスが好きだったんだろうなあ、と思うくらい、スターンが在籍した頃の「エレ・マイルス」を彷彿とさせる音世界が広がっている。

この「エレ・マイルス」を踏襲した曲でのスターンは、以前からの「スターン節」。金太郎飴の如く、口の悪いジャズ者の方々からすると「マンネリのスターン」である。でも、このスターン節が良いんだよな。好みというのはそういうもの。スターンはそこは徹底していて、初ソロ盤からずっと同じ「スターン節」で通している。
 

Trip_mike_stern

 
が、この盤の後半の曲で「あれっ」と思う瞬間がある。7曲目のボーカル入り「Emilia」から「Hope For That」「I Believe You」 は、ぼんやり聴いていたら「これって、パット・メセニー」っと思ってしまう。スターンがフォーキーでネイチャーなエレギを弾いている。ラス前、10曲目の「Scotch Tape And Glue」から、ラストの「B Train」は、スターンお得意のロック・フュージョンでは無く、コンテンポラリーな純ジャズっていう風情の、硬派でメインストリームなジャズを展開している。

新境地という意味では、この「硬派なメインストリームなジャズ」の路線が良い様に思う。フォーキーでネイチャーなエレギはあまりにパットに似すぎている。しかし、スターン、良い感じでエレギを弾いているなあ。しかし、スターン自身は大変な状況に瀕している。この新盤『Trip』の録音の後だったようだが、スターンは、昨年の7月、マンハッタンの自宅前でタクシーを降りたところで建築物の破片に躓き、両腕を折るという大事故に遭っている。

両腕を骨折しただけでなく、神経の損傷もおこし、右手でピックを持つことさえも出来ない大事故。その後2回目の手術を行い、神経の状態は良くなってはきたが、まだ、右の指に糊でピックをくっつけて弾く状態らしい。まだまだ大変な状態の様だが、早く確実に良くなって欲しい。そして、これからもずっと、スターン節を聴かせて欲しいのだ。

 
 

東日本大震災から6年10ヶ月。決して忘れない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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