クリスマス企画のジャズを流す
今年もクリスマス・イヴである。我が家では毎年、クリスマスについては、過度な反応はしない。せいぜい、小さなブッシュドノエルと出来の良いシュトレンを手に入れて、ちびちび食するくらいである。音楽もあまりクリスマスを意識はしない。それでも、クリスマスの1週間前からは、ちょっとだけ、クリスマス企画のジャズを流して楽しんだりする。
今年の選盤の中で、これは良いなあ、と感心したのがこのアルバム。『A Dave Brubeck Christmas』(写真左)。変則拍子の名曲「テイク・ファイブ」の作者として演者として有名なジャズピアニスト、デイヴ・ブルーベックが1996年、当時76才の時に発表したソロ・ピアノによるクリスマス曲集である。
我が国では長年、ブルーベックは「スイングしない凡なピアニスト」とされてきた。しかし、である。僕は学生時代、今を去ること30余年前から、デイブ・ブルーベックを聴いてきたが、スイングしないなんてとんでもない。ブルーベックは横にスイングしない。ブルーベックはスクエアにスイングする。それを感じることが出来ないと、ブルーベックのピアノを楽しむ事は出来ない。
このソロ・ピアノ集は、ブルーベックのピアノが、前へ前へ出ること無く、自己主張が希薄で厳かなプレイに終始しているので、強く感じることは無いが、やっぱりスクエアにスイングしている。ウトウトしながら聴いていても、明らかにブルーベックな雰囲気が漂ったピアノ・ソロである。
加えて、クリスマス・ソングに相応しい、落ち着いた荘厳さを底にしっかりと偲ばせた、ちょっと小粋なアレンジを施されていて、聴き心地が良く、飽きが来ない。ジングルベルをテーマにした1曲目「"Homecoming" Jingle Bells」とラス前の「"Farewell" Jingle Bells」では、クリスマス休暇で故郷へ帰る「ワクワクとした気持ち」と、休暇が終わって故郷を後にする時の「心寂しい気持ち」を表現しており、そんなアレンジのセンスも抜群である。
クラシック・ピアノの経験を持つブルーベックならではの、クラシック風のテーマ提示と、最大の個性であるスクエアなスイング感溢れる、厳かな雰囲気を湛えたアドリブ部の対比が素敵な演奏の数々。今年のクリスマス・シーズンは、このブルーベックのソロ・ピアノがヘビー・ローテーション。それでは皆さん、メリー・クリスマス (^_^)v。
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