ちょいヘビロテなボーカル盤
ジャズの新作の中で、コンスタントにリリースされ続けるボーカルもの。ボーカルは人気があるんでしょうね。歌詞もあるし、歌って判り易いからなあ。様々なキャリアの新人がどんどん出てきて、どんどん消えていく。コンスタントにデビューするのだが、長続きせず、その名前が消えていくのが早いのもボーカルものの特色。
そんなボーカルものの中で、しっかりと地に足着けて、長くキャリアを紡ぎ上げているボーカリストもいる。例えば、女性ボーカルの中では「ダイアン・リーヴス(Dianne Reeves)」がそんな存在。1987年に『Dianne Reeves』でデビュー以来、現在に至るまで、30年に渡って、女性ボーカル界の中でメジャーな存在であり続けている。
そんなダイアンが昨年リリースしたライブ盤が、Dianne Reeves『Light Up The Night: Live In Marciac』(写真左)。コンコード移籍第2作になる。2016年夏に南仏のマルシアックで開催されたジャズ祭でのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、Dianne Reeves (vo), Peter Martin (p), Romero Lubambo (g), Grégoire Maret (harmonica), Reginald Veal (b), Terreon Gully (ds)。
ダイアンの歌唱が素晴らしいのはもちろんのこと、このライブ盤の良さは「選曲」。女性ジャズ・ボーカルというと、いきおい「有名スタンダード曲」がメインになりがちだが、このライブ盤は違う。ネオ・スタンダード曲とも言うべき、最近のポップスや、昔のジャズ・インストのレジェンド曲など、いままであまり取り上げられなかった曲を積極的にチョイスしている。
フリートウッド・マックの全米No.1ヒット「Dreams」や、マイルス・デイヴィス「All Blues」、ウェイン・ショーター「Infant Eyes」、パット・メセニーの壮大な名曲「Minuano(Six Eight)」、さらにはマリ・ミュージックの「Beautiful」など、どれも小粋で内容のあるアレンジに乗って、今や女性ジャズ・ボーカリストのレジェンドとなったダイアンが、実に楽しそうに唄い上げていく。
ナチュラルでポップ。大御所となったダイアンの聴いて楽しいボーカル盤。ネオ・スタンダード曲の選曲がズバリ当たって、リラックスしてライト感覚で聴けるところが粋。ながら聴きにも適していて、意外とこのボーカル・ライブ盤、ちょくちょく聴く、ちょいヘビロテなアルバムになっていたりする。こういうボーカル盤って親しみ易くて良いよね。
東日本大震災から6年8ヶ月。決して忘れない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
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