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2017年12月 2日 (土曜日)

ドラムが活躍するフリー・ジャズ

ECMレーベルが立ち上がったのが1969年。当時、ジャズ界の演奏トレンドは「フリー・ジャズ」。ロックの台頭に押されて、ポップス・ジャンルのマイナーな存在に追いやられつつあったジャズ。そのロックの要素を取り込んで、新しいジャズを創造する傍ら、即興演奏の側面を極限まで突き詰めたフリー・ジャズが当時の演奏トレンドになっていた。

米国ジャズでのフリー・ジャズは、オーネット・コールマンから始まり、コルトレーンが牽引した、本能の赴くまま、スピリチュアルでエモーショナルなインプロビゼーションを旨とし、熱気溢れる激しいブロウが特徴。不協和音も出しまくって、とにかく「五月蠅い」。

演奏の本質を理解出来れば、これはこれで立派なジャズなんだが、この不協和音と嘶くようなブロウは、一般の音楽ファンを遠ざけた。まあ、耳当たりは良くないよな。ECMレーベルの初期の頃のカタログには、そんな時代背景を反映して、このフリー・ジャズな演奏がメインの盤が多く存在する。

しかし、ECMレーベルは欧州のジャズ・レーベル。ECMのフリー・ジャズは欧州のフリー・ジャズのスタイル。現代音楽風の要素も見え隠れする、静謐で怜悧、インパクトと間を活かしたビートレスの即興演奏。熱いブロウを繰り広げることもあるが、短時間で冷たく熱気を帯びたブロウなのが特徴。米国ジャズの様に汗飛び散る熱気では無い。
 

Conception_vessel

 
Paul Motian『Conception Vessel』(写真左)。ECM1028番。1972年11月の録音。ちなみにパーソネルは、Paul Motian (ds, perc), Keith Jarrett (p, fl), Sam Brown (g), Leroy Jenkins (vln), Becky Friend (fl), Charlie Haden (b)。若き日のキース・ジャレットとチャーリー・ヘイデンが参加している。さすがECMレーベルである。

ポール・モチアンは伝説のドラマー。特に、ビル・エヴァンス、スコット・ラファロとのトリオ演奏が有名で、独特の空間と間を生かしたドラミングは唯一無二。ブラシ・ワークやシンバル・ワークも繊細かつ躍動的。ジャズ・ドラマーの中でも、理知的なドラミングが個性だったと理解しています。そんなポール・モチアン、1970年代は、ECMレーベルで活躍していたんですね。

このアルバムでは、徹頭徹尾、欧州式のフリー・ジャズを展開しています。リーダーがドラマーな分、ドラムが活躍します。ドラムが活躍するフリー・ジャズって、ありそうでない。この盤はそういう面でも貴重な存在です。フリー・ジャズである分、モチアンのドラミングの妙というか特徴が如実に出ています。

ドラムが活躍する欧州式フリー・ジャズ。適度なテンションが盤全体に漂っていて、最後まで飽きの来ないフリーな演奏に感心します。こういう演奏をしっかり記録しているECMレーベル、なかなかやりますね。

 
 

東日本大震災から6年8ヶ月。決して忘れない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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