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2017年12月28日 (木曜日)

日本人によるエレ・ファンク

菊地雅章の『Susto』は「耳に優しい」エレ・マイルスであり、「聴き易い」エレ・ファンクであった。エレ・マイルスからファンクネスを抜いて、混沌としたグルーブを再整理し、重量級のリズム&ビートを軽量にし、ジャジーで複雑なフレーズをポップで判り易くした様な音世界。

実は、この『Susto』と対になる、『Susto』と同様に「耳に優しい」エレ・マイルスであり、「聴き易い」エレ・ファンクであるアルバムがある。『Susto』の次作であるこの盤。菊地雅章『One Way Traveller』(写真左)。1980年11月の録音。1982年のリリース。僕は社会人ほやほやで、このアルバムは『Susto』と併せて良く聴いた。

ちなみにパーソネルは、菊地雅章 (key), 日野皓正 (cor), Sam Morrison (ss), Steve Grossman (ss,ts), Hassan Jenkins (b), Gass Farkon (g), Billy Paterson (g), James Mason (g), Butch Campbell (g), Marlon Graves (g), Ronald Drayton (g), Richie Morales (ds), Victor Jones (ds), Aiyb Dieng (per), Airto Moreira (per), Alyrio Lima (per)。ほとんど、前作『Susto』と同じメンバー。
 

Oneway_traveller

 
というのも、この『One Way Traveller』と『Susto』とは録音日が同じ。そりゃ〜メンバーは同じだな〜。アルバムに詰まっている音世界は『Susto』と同じ。エレ・マイルスよりも、整然としていて見通しが良い。エレ・マイルスは、混沌としたところがあり、耳に過度の刺激になる「毒」の要素がところどころに漂っているのだが、『One Way Traveller』は健康的である。

もちろん、ファンクネスは希薄である。音とリズムの洪水ではあるのだが、すっきりとしていて聴き易いエレ・ファンクである。菊地雅章のキーボードも判り易く個性的。シンセの使い方も非常に健全である。日野皓正のトランペットは明らかにマイルス風で、これはちょっとなあ、と苦笑い。

『One Way Traveller』は『Susto』の後に続けて聴くのが一番。『Susto』では印象的なキーボードはフェンダー・ローズ。この『One Way Traveller』での印象的なキーボードはシンセサイザー。菊地のキーボード・ワークは素晴らしい。しかし、これだけのメンバーを集めて、演奏させてみて、このファンクネスの希薄さは面白い。日本人のエレ・ファンクやなあ、と妙に納得する。

 
 

東日本大震災から6年9ヶ月。決して忘れない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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